駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第9試合・ミニフライ級契約ウェイト(47.0kg)6回戦/○夛田悦子[フュチュール](判定3−0)金慧除ナ[韓国]●

WBCアトム級11位の夛田は3勝(2KO)無敗のサウスポー、WBCLフライ級12位の金は2勝(2KO)3敗1分。夛田は7月、10月とタイ人を難なく降してこれがプロ4戦目。この試合が決まった後にWBAミニマム級(日本ではミニフライ級相当)の世界挑戦が決定している。
1R。牽制気味のワン・ツー応酬。共にボディワークとステップはキレているが、夛田が左ストレートヒットし小差リード。まだ両者様子見の段階。
2R。金は頭下げながら果敢にアタックも、夛田は落ち着いて左で迎撃。金はアグレッシブに攻めつつもパーリングやブロックはしっかりしており、ヒット数の少ない静かな攻防に。
3R。同様の展開。夛田の冷静な攻守が光るが、ヒット奪った後の追い討ちを金は許さない。その金はアグレッシブさは目立つが明確なヒットに欠ける。
4R。金は疲れが見えはじめ、攻守共に精度が落ちた。夛田は右フック、左ストレートを立て続けに決めて明確なリード築く。均衡が崩れ始めた。
5R。このラウンドも夛田は金の攻めを捌きながらの左ストレート狙い。自分から攻める姿勢がもう少し欲しいが……。金も隙が大きそうに見えて、実に渋太く立ち回り、決定打は許さない。
6R。夛田は最終ラウンドで漸くアグレッシブに出るが、金の右を浴びるなど逆に勢いを削がれた格好。それでもラウンド後半には連打で攻勢に出て、決め手欠くなりに形を作った。
公式判定は半田60-54、宮崎60-55、川上60-55の3−0で夛田。駒木の採点は「A」60-54「B」60-56で夛田優勢。
夛田が冷静な攻守で判定勝ち。しかしややアグレッシブさに欠けて決手不足否めぬ内容。世界戦にダメージを残さないためとはいえ、この日の観客には些かサービス不足。凡戦のプロデューサーになってしまった。
金はアグレッシブに攻め込んだが、決め手欠いてジリ貧。それでも守備面では確かさを垣間見せ、凡百の噛ませ犬とは違う所はアピールした。