駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第5試合・Lフライ級契約ウェイト(48.5kg)4回戦/●谷美幸[フュチュール](4R1分53秒TKO)秋田屋まさえ[ワイルドビート]○

サウスポーの谷はデビュー戦、秋田屋は2勝(0KO)無敗。谷は07年度全日本女子アマ選手権Lフライ級優勝の実績がある。秋田屋は5月、9月と連勝して関西の女子4回戦選手の中では頭一つ抜けた存在。
1R。両者ロングレンジからの牽制。身のこなしは両者なかなかの水準。秋田屋が踏み込んで右ストレートをヒットすると、プロのパンチに戸惑ったか谷は気圧された感じ。秋田屋は右のヒットを追加してプロの先輩の貫禄を見せた。
2R。このラウンドも牽制の時間が長い。秋田屋はステップ、ダッキング素軽く、主導権を掴みかけたが、谷は鋭い左ストレートをヒットしてこれを阻止。共に決定機を探り続けたまま時間を費やした格好。
3R。同様の展開だったが、秋田屋が右→左→右ストレートでリズムを掴み、そこから有効打を連発。谷をグラつかせるシーンもあって確かなリードを奪う。谷はショートカウンターを決めて、あわやダウンかというスリップダウンを奪うも、後は見せ場を作れず。
4R。谷が左ストレートで先制の有効打決めるが、秋田屋は引かずに右ストレートでお返し。ラウンド後半には大振り連打で強引にラッシュし、一方的な展開に持ち込んでレフェリーストップを勝ち取った。
同じ4回戦でも興行前半のそれとはレベルが違う、内容のあるボクシングになった好勝負。プロ経験で勝る秋田屋が右ストレートで先制して主導権を握ると、ステップ、ボディワークの冴えも見せて相手の攻勢を捌き、最後はタイミング良くラッシュを仕掛けてTKOを奪取した。会心の試合といったところだろう。
谷は身のこなしはスムーズで、アマ経験が伊達ではない所も見せたが、ヘッドギアの無い試合に戸惑ったか気後れする場面も見られた。最後も強引に押し切られ、心身両面で競り負けた形。