駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

徳山昌守、Sフライ級で再起

ちょっと古いニュースになるが、前WBCスーパーフライ級王者・徳山昌守が現役続行を宣言したとのこと。川嶋に敗れた直後は「(減量がキツ過ぎるので)復帰するなら2階級上げてSバンタム」と言っていたが、熟考の末に階級据え置きで再起する事に決めたらしい。ただし、ヌルい相手との前哨戦でまで過酷な減量をするモチベーションは見出せないのか、復帰戦はいきなりのWBCタイトル戦になる模様で、川嶋VSナバーロの指名試合で勝った方に挑戦するプランが有力視されているとか。
どの階級で再起するべきか、というのはファンの間でも意見が分かれているようだけれども、減量が厳しいという事を除けて考えれば、やっぱり“原級留置”が一番妥当なプランじゃないかとも思う。1階級上のバンタムでは、大して減量が楽にならない上に長谷川穂積だのサーシャ・バクティンだのといった伸び盛りのホープが世界挑戦秒読み段階に入っていて長期間の順番待ちは避けられない。2階級上のSバンタムにしたって、元々のメンツに加えて仲宣明やら西岡やらがバンタムから階級を上げて来ているから同じく“挑戦順番待ち渋滞”が予想されるし、そもそも2階級クラスを上げる事自体に結構なリスクがあるわけで。
そう言えば、それまで“日本王者未満”の域を脱し切れなかった徳山が一気にブレイクするきっかけを掴んだのが、あの井岡弘樹を5RTKOした試合だった。安易に階級を上げて晩節を汚した実例を文字通り目の当たりにした経験があるというのも、今回のSフライ級据え置き&再起即世界挑戦を決めた1つの理由になったのかも知れない。Sバンタムに上げたは良いが、前哨戦でノーランカーにアップセットを決められた……なんて事になったらシャレにもならない。つい最近も本田秀伸名城信男に再起を挫かれて引退に追い込まれたばかりでもあるし、慎重になるのもよく分かる。ただ、指名試合の勝者と再起即対戦するというのも、よく考えたら慎重というより無謀だよなぁ。
そう言えば、駒木がボクシングを初めて生観戦したのが7年前の10月、徳山の2度目の日本タイトル挑戦を控えた前哨戦だった。ちなみのこの時の試合は典型的な凡戦で、試合内容は覚えてないが、試合中居眠りしそうになったのを覚えている(笑)。そんなだから、その後に徳山がブレイクした後もなかなか現実を直視できずにいたものだ。今はさすがに大丈夫だけど。