駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第5試合・契約58kg4回戦/●岩下幸右(判定0−3)武本康樹○

岩下は2勝(1KO)1敗。5月の千里馬神戸主催興行のデビュー戦を観戦しているが、その時は全く良い所無く敗退していた。しかしそれから短期間に2勝を重ねているとは……。一方の武本は、今日のメインに出場する武本在樹実弟。8月のデビュー戦では、固さも残る試合運びながら、兄譲りのパワーと、正確性も兼ね備えたパンチで大差判定勝ちを果たしている。
1R。中間距離から互いにパンチを繰り出す。武本はベタ足気味も、反応良く岩下のパンチをかわして時折強打をヒットさせてゆく。
2R。岩下が手数を出して攻めるも、武本はブロックでそれをほぼシャットアウトして逆にワン・ツーを繰り出してゆく。ただしやや狙い過ぎか。ジャッジ的には手数で岩下が獲ってもおかしくないラウンドだが……。
3R。武本が先手、先手で岩下の機先を制してペースを奪う。両者ともクリーンヒットが無く決め手を欠くが、ジェネラルシップは明らかに武本が優勢だった。
4R。3Rと同様の決め手の無い展開が続いたが、ラスト1分からにわかに始まった打ち合いでは武本がハッキリと打ち勝った。武本はブロッキングだけでなく、ボディワーク中心のディフェンスにも見所があった。
公式判定は40-36、40-36、39-37の3−0で武本。駒木の採点は40-36武本。
武本は勝って2戦2勝。ファイトスタイルやパンチの強さに兄を彷彿とさせる部分もあるが、現時点では兄の欠点を中心に引き継いでしまっているようにも見える。ここまで2戦、順当に勝ってはいるが、上を狙うのならばもっと精進して欲しい。敗れた岩下は2勝(1KO)2敗。確かにデビュー当時よりは成長していたが、あれだけ不発を重ねればこの判定もやむを得まい。