駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第7試合・フェザー級8回戦/●サンダー伊藤(判定0−3)堀川昌憲○

サンダー伊藤は中日本の緑ジム所属で、これまで10勝(2KO)4敗5分の元・日本ランカー。一方の堀川は8勝(4KO)2敗1分。94年にデビューするも、その直後から8年のブランクを開けた経歴を持つ29歳。復帰後に何回か生で試合を見ているが、去年の3月、後の西日本新人王・竹下寛刀相手に互角の勝負(判定0-2)をしてみせた試合が非常に印象的だった。それ以来、その鬱憤を晴らすようにB級・A級で4連勝して実力をアピールしている。
堀川の入場テーマは「マツケンサンバ2」。しかし、いかにも東急ハンズで買いました的な安っぽい浴衣調の金ピカのガウン姿を見ると、松平健というよりギターを忘れた波田陽区のような……(笑)。(まぁ顔はこっちの方が相当男前だが)
1R。足を使いつつ小気味良くジャブを放つサンダーに対し、堀川は自分のペースが掴めず手数が出ない。業を煮やして果敢に連打を狙うも、これは不発。
2R。ゴング直後からサンダーがラッシュ。しかし堀川はこれを捌いて逆に反撃へ。大振りフック以外のパンチがぎこちないのがキズだが、的確にストレート、フックを浴びせていってこのラウンドは優勢。堀川はこのラウンド、バッティングで出血。
3R。距離を詰めての打ち合い。共にタイミングを計りつつ、相手のガード能力を超えた手数の連打を放ってヒットを奪い合う。しかし中盤以降はサンダーのアグレッシブなフック連発が印象的だった。
4R。このラウンドも距離を詰めての攻防戦。サンダーの方が自分のボクシングが出来ている印象で、アッパーにワン・ツーを交えた攻めが目立つ。しかし堀川も終盤巻き返し、差は小さい。
5R。中間距離で戦いを挑むサンダーだが、これは堀川の距離。ワン・ツーを浴びて足が止まったところに追い討ちを掛けられて劣勢。反撃も試みたが最後までペースが握れず。
6R。出入りの激しいボクシングのサンダーだが、中途半端な印象は否めず。逆に堀川はサンダーの動きを釘付けにしてダブルのフックを浴びせるなど効果的な攻めを見せた。
7R。接近戦の激しい打ち合い。両者足を止めてフック、アッパーを打ち合う。ヒット数はやや堀川だが、手数はサンダーが勝る。
8R。このラウンドもショートレンジの激しい戦い。細かいヒットの数と手数はやはりサンダーだが、右ストレートをクリーンヒットさせて見せた堀川の印象も悪くない。
公式判定は78-74、77-75、77-75の3-0で堀川。際どいラウンドが多かったとはいえ、正直、ラウンド1つ分(2ポイント)くらいは地元寄りのジャッジに見えなくもなかった。駒木の採点では76-76のドロー。
勝った堀川はこれで9勝(4KO)2敗1分。元ランカーを破った事で今後はランキングを巡る試合にも顔を出すと思われるが、そのためにはジャブ・ワンツー中心の軽快な攻めを身につける必要があろう。今の時点では細かいパンチがぎこちなく感じ、そこにつけこむだけの技量を持った上位ランカー相手だと軽くあしらわれる危険もある。敗れたサンダー伊藤は10勝(2KO)5敗5分。