駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第8試合・フェザー級8回戦/●目次誠(4R2分55秒KO)玉越強平○

目次はこれまで4勝(4KO)7敗3分。6回戦デビューを飾るも3連敗、4回戦から出直すという苦い経験を持つ。A級に上がってからは引き分け2つを挟んで4連敗中と伸び悩み中。一方の玉越は12勝(4KO)4敗5分で、現在日本Sバンタム級7位。昨年に当時無敗を誇っていた日本1位の池原信遂を判定で破ってランキング入りを果たし、今年には日本タイトル挑戦も果たしたが、偶然のバッティングによる負傷ドローでチャンスを棒に振ってしまった。今回はそれ以来の復帰戦で狂いかけたリズムを取り戻すための戦いか。
実はこの両者、お互いB級時代の4年前に対戦していて、その時はドロー。しかし、随分と立場に差がついてしまったものだ。
1R。オープニングヒットは玉越の右。目次の矢継ぎ早に繰り出される大振りフック中心の攻撃をかわしつつ、内側を攻める軌道の短いパンチでアグレッシブさをアピールする。目次は手数だけなら負けていないが、ヒット数やテクニック面では劣勢。露骨に頭から突っ込む場面が2度ほどあって、ヘディングの減点1を喰らう。タイミング的にはやや早い印象があったが、「お前が怪我させてエエ相手と違うんや」といったところか。
2R。目次の手数が目立ったラウンド。玉越はそれらをほぼ完封する好守が光るが、やや専守防衛を強いられた感も。ジャッジ的にはかなり際どかっただろう。
3R。玉越、このラウンドになって完全に目次の動きを見切った様子で余裕を持って攻守に臨む。相手の大振りをかわしておいて、ジャブ、ワン・ツーを的確に決め、隙あらばボディブローを浴びせて動きを止めんとする。一方的に玉越の動きばかりが目立った。
4R。もう玉越は“倒し所”を考えた試合運び。ロープ際に詰められても全く動ぜず、カウンターの右ストレートで迎撃。これが完璧なクリーンヒットとなって、目次たまらずダウン。何とか立ち上がるも足元がフラフラで、限界を悟ったセコンドがタオルを投入した。
鮮やかなKO勝利で復帰戦を飾った玉越は13勝目(5KO)。ランカー入りして1年余、ようやく受けて立つ試合運びが堂に入って来た感がある。一方の目次はこれで8敗目。ここ最近の戦績を見る限りでは日本ランカーの相手を務めるにはやや荷が重そうではあったが、さもありなん、といった内容だった。