駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第9試合・契約58kg10回戦/○武本在樹(2R1分10秒KO)サムトノイ・シスナルポン●

WBA世界フェザー級15位にランクされ、来年度チャンピオンカーニバルで日本タイトルへの優先挑戦権を行使する事が内定している武本は、ここまで15勝(10KO)4敗1分。戦績通りKOの多さが魅力の選手で、淡々とした展開の中で唐突に強烈なクリーンヒットで相手をマットに沈めるというパターンが多い。以前、このサンボーホールで彼の試合を初めて観た時には相手選手を一撃で完全に失神させ、大変に驚かされたものだ。地元判定で奪った世界ランクにどれほどの価値があるかは未知数だが、日本ランカーの力は優にある事は疑いをはさむ余地は無いだろう。
その武本の今日の相手・サムトノイはここまで2勝(1KO)3敗のタイ人。特にコールが無かったのでノーランカーなのだろう。しかし、いくら調整試合、いくら急な相手変更とはいえ、武本の相手がタイのノーランカーというのはどんなもんだろうか? 試合前から結果が見えているメインイベントは正直白けてしまう。
1R。サムトノイは“噛ませモード”の消極戦法ながら、トリッキーなフックを放って来る。武本はしばらく様子を窺い、タイミングを計った後、持ち味のワン・ツー強打でサムトノイのガードをこじ開けてダウンを奪う。このラウンドでは決め切れなかったが早くも一方的な展開。
2R。開始早々、武本の右フックがサムトノイのテンプルを捉えて1回目のダウン。サムトノイは立ち上がるも、武本は的確に左右の連打を浴びせて2度目のダウンを奪う。これもサムトノイは立ち上がるが、武本はラッシュで勝負を決めに行き、アッサリと3ノックダウンを奪って自動的KO。所要時間僅かに1分余。
勝った武本はこれで16勝め(11KO)。今日は相手に恵まれ過ぎた感じだが、全く攻めあぐむ場面が無かったのは「さすが」といったところ。サムトノイは2勝(1KO)4敗目。この短い間に4回ダウンを喫したが、ちゃんと最後まで“仕事”に徹したのだけは立派。