駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第8試合・Sバンタム級(54.5kg)契約ウェイト10回戦/○池原信遂[大阪帝拳](5R1分48秒TKO)ゴンスリン・シッスーイ[タイ国]●

メインイベントは、元日本1位&現在は東洋太平洋バンタム級9位の池原の調整試合。
池原の戦績は21勝(16KO)1敗。唯一の敗戦は、一昨年6月に現日本ランカーの玉越強平に喫したもの。その敗北で日本ランクを失ってからは、慎重に勝てる相手を選んでここまで5連勝。
対するゴンスリンは、東洋太平洋のSバンタム級6位ながら、来日成績は4戦4敗。昨秋にも来日し*1、仲宣明に“お仕事”臭い試合振りで7RKO負けを喫している(=http://d.hatena.ne.jp/komagi/20040920#p6)。戦績は4勝(2KO)7敗とコールされたが、昨秋の来日時には7勝(1KO)6敗となっており、彼の国の成績管理の杜撰さを思い知らされる。
1R。消極的な“噛ませモード”のゴンスリンに、池原が圧力をかけてロープ際へ詰めていくが、大振り気味で決め手に欠ける。2〜3発ボディフックがヒットしてポイントは採り切ったが……
2R。このラウンドも池原の一方的な“試し斬り”状態。ワン・ツーと左右のフックを中心に攻めて、ガードの低いゴンスリンにクリーンヒットを重ねるが、タフなタイ人ランカーは然程効いた感じを見せない。
3R。池原の右フック、左ボディフックが強烈に決まるが、ゴンスリンはまだ「参った」せずにカウンター気味の反撃も振るっていった。
4R。このラウンドも地味に池原の攻勢。しかしゴンスリンはタフさに決定力に欠ける池原は少々攻めあぐみ気味。
5R。ロープ際に詰めて攻勢に出た池原、ワン・ツーを3セット当てて1度目のダウンを奪うと、ゴンスリンが立ち上がった所へすかさずラッシュをかけて試合を打ち切らせた。
最近は決定力が不足気味の池原にとっては、久々の前半ラウンドでのKO勝利となった。基本的なムーヴに関しては問題ないものの、フィニッシュブローになるような突出した“武器”が無いのが気にかかる。日本王者以上を目指すなら、そういったセールスポイントが1つ2つ欲しい。また、今回で5戦目の調整試合と、異様に大事に育てられている感のある選手だが、今年29歳ともう若くない。そろそろ日本ランカーを照準に合わせ、多少リスキーなマッチメイクをすべき時期ではなかろうか。

*1:この時は「ゴンスリン・シスソーエイ」と発音されていた