駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第1試合・ミニマム級4回戦/○山口鋭二[森岡](判定3−0)野口貴史[大阪帝拳]●

夜の部に組まれた4回戦は、オープン戦中心のラインナップ。山口は戦績1勝(1KO)で今回が2戦目。野口は1勝2敗の戦績で、5/15のオープン戦(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050515#p3)で、デビュー戦の選手を相手に初勝利を果たしている。
1R。野口が勢い良く飛び出していくが、バランスの悪い前傾姿勢でパンチに体重が乗らない。そうしている内に山口もワン・ツー主体の攻撃で手数を稼ぎ、左フックをクリーンヒット。しかし野口も山口のガードが低めなのを咎めて終盤に細かくヒットを奪っていった。形勢は微妙か。
2R。野口の攻めはいかにも精度が悪く、クリーンヒットしないパンチばかり。対する山口は、そんな野口の手数に手を焼きつつも、右ストレートでフラッシュ気味ながらダウンを奪ってリード。単純なヒット数では野口だが、ダウン1回の差は余りにも大きい。
3R。このラウンドになって、野口の手数攻めにクリーンヒット気味の一撃が混じるようになって来た。山口は気持ちばかりが先行し、手数が少ない。右アッパーを有効打とするも、劣勢は否めず。
4R。野口の動きが冴えてきた。ワン・ツーからの4連打、左ボディ、右アッパーと再三の有効打が決まり、山口はたまらずクリンチに逃れる。その山口はスタミナ面にも問題を抱えているのか動きが鈍く、苦し紛れ気味にショートブローを放つも、このラウンドは見せ場が無かった。
公式判定は3者とも38-37で山口を支持。駒木の採点でも同様に38-37山口。
山口が前半のリードを何とか守り切って“一杯逃げ切り”。2Rのダウンが無ければドローか2点差負けが濃厚だっただけに、かなり際どかった。森岡ジムらしい基本に忠実なボクシングをする選手だが、今はまだ課題の方が多い印象。逆に言えば伸ばせる余地が十分残っている選手だけに今後に期待。一方の野口、4回戦ならそう相手を問わずに勝ち負けしていけそうな地力はある。ボディバランスの修正を果たして更に一段上へ飛躍して欲しい。