駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第7試合・Sフライ級契約ウェイト(51.5kg)6回戦/○松下泰士[ヨシヤマ](判定3−0)佐藤武夫[Gツダ]●

松下は6勝(2KO)1敗の戦績。今年度新人王戦ではフライ級にエントリー。奈須勇樹と並んで優勝候補に挙げられたが、低いガードが災いして6/5の2回戦で久田哲也にKO負けでプロ初黒星を喫した(→http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050605#p13)。今回は初の6回戦での復帰戦を迎える。
一方の佐藤は6勝(1KO)9敗。6回戦で2勝しており、本来はA級の選手。4/4に昨年度Sフライ級全日本新人王の堀田英也と対戦し、KO負けを喫している(→http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050404#p2
1R。松下はステップワーク軽快に、ロングレンジから時折踏み込んでは細かい連打を浴びせて優勢。佐藤は機先制されて気圧されたか手数が出ない。
2R。松下がスピードで優位に立ち、ストレート系の連打を次々浴びせる。ただ、全体的にややパワー不足な上、大振りを狙っては不発に終わるシーンが目立つ。佐藤は自分の距離を掴めずにジャブのヒットも少ない。
3R。松下はディフェンスにも進境見せ、ヘッドスリップ・ステップワーク中心にガードの甘さをフォロー。攻めてはフック中心に不完全ながらヒットを重ねて確かな優位を築く。
4R。佐藤はここに至っても消極的なファイトに終始。松下は佐藤の少ない手数を楽々と捌きつつ、速いジャブで遊んでしまう。ただ、やはり大きいパンチは不発。
5R。漸く佐藤が距離を詰めていく場面が出て来たが、まだまだ手数が乏しくセコンドからも痛罵される始末。松下は距離を取って的確にジャブ、ボディにヒットを重ねてキッチリとポイントを取り切った。
6R。佐藤は前々へ出て行く姿勢を見せたが、攻めは最後まで迫力に欠けておりジャブ数発のヒットのみに留まる。松下は強引に佐藤から主導権を奪い返すと、ストレート系のパンチで有効打、クリーンヒットを重ねる。最後まで手を緩めなかった松下の完勝。
公式判定は三者とも60-54のフルマークで松下。駒木の採点も60-54で松下優勢。
松下はスピードとディフェンス技術に磨きをかけ、とりあえずは見事な再スタートを切った。ジャブ、ストレートのスピードも8回戦クラスで、この調子なら次戦も有望だろう。課題は強打の命中率とパワー不足の解消か。敗れた佐藤はこれで10敗目。今日はハンドスピードがイマイチだったし、それ以上に余りにも消極的過ぎた。今日みたいに精彩を欠いたファイトでは前途多難である。