駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

ドラマチックボクシング特別試合「CROSS」

昨年の10/18(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20041018)以来となる、大阪府立第1競技場でのボクシング興行。よみうりテレビのバックアップで資金にも恵まれたのか、プロレス・格闘技ビッグマッチ並の豪華な入場ゲート&花道がセッティングされるなど、世界戦の無い興行にしては演出面はかなりの力の入りよう。正直、「ボクシング界もやれば出来るじゃないか」という思いを新たにした。
こういうプレゼンテーションの配慮が行き届くようになった後、ボクシング界がK−1に追いつくためには、あとは肝心の中身の部分、看板日本人選手の知名度向上と試合内容・マッチメイクの充実を一刻も早く追いつかせる事が大事だろう。順調に見えるK−1系、総合系のビッグマッチでも、中身の伴わない興行はどれも1回か2回限りで休止の憂き目に遭っている。個人的には、手頃なギャランティーで招聘できる実力派の若手世界ランカー──日本人選手に世界ランクを獲らせるための穴ランカーではない、本当の実力者──を対世間用の看板選手に育て上げるのが一番の早道だろうと思うのだが。
また、世間にアピールするような大規模興行の場合、一般層へ食い込んでいくためのチケット営業の強化も見逃せない。この日も荒木・小松の試合が終わった途端に席を立つ身内客が目立ち、大変気まずい思いをした。前々から気になっているが、この業界は「ボクシングが好きで来ている」という純粋なファンの比率が低すぎる。「ボクシングの人気回復」とお題目を唱えるばかりで他力本願にすがるという、仏教教義のバッタモンみたいな状況では開けるはずの前途も開けてくるはずが無い。ボクシング界随一の営業マンが亀田三兄弟という現状では、この業界の先は暗いままであると申し上げておく。


ちなみに客入りは、1階席に限っては、半分がVIP席&埋まる見込みの低い高額な一般リングサイド席の数を大幅に絞る…という“焦土戦術”に出たため、何とか9割方埋まる入り。ダフ屋にも1階席は殆ど出回ってなかったので、一応この作戦は成功だったのだろう。ただ、2階席は東側のリング正面部分がまんべんなく埋まっただけで、こちらは正真正銘の“焦土”になってしまった。観客の実数を考えると「後楽園ホールなら超満員札止め」といったところになるだろうか。

※観戦記は、いつになるか判らない後日更新というところで。