駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第3試合・Sバンタム級4回戦/○松本一男[森岡](判定3−0)辻彬宏[江坂]●

両者戦績は松本が1勝(1KO)無敗、辻は2勝(1KO)1敗。松本は10/9のデビュー戦でKO勝ち。辻は8/31に1年4ヶ月ぶりの再起戦を勝利で飾っている。
1R。辻が頭から突っ込んでいって仕掛ける形でクロスレンジの乱打戦。両者精度にやや欠ける中、松本がステップワーク使い自分の距離を掴んで連打を浴びせ小差優勢。ただしヒット数は2人合わせても少ない。
2R。松本が辻のラッシングをステップワークで捌きつつ、フック中心に攻勢。時折、内藤大助ばりの変則ムーヴを披露するなど、独特のセンスを披露。やや守勢に回った印象だが、ヒットの質・量と主導権支配で優位に立つ。
3R。このラウンドも辻の突進をいなして松本が主導権。アッパーを打ち込む寸前でストレートに切り替える内藤流フェイントで有効打を奪い、更にフックなどでヒットを量産。ただしリードジャブが少なく、ロープに詰められると脆さも窺わせる。辻は少ないチャンスを活かしたいが、攻めが一本調子。
4R。辻が圧力を更に強めて攻勢。松本はアッパーとトリッキーなコンビネーションにこだわり過ぎ、技巧に溺れてしまった印象も。ラウンド終盤には激しい乱打戦となったが、この場面は互角で終わる。
公式判定は新井40-36、原田40-36、北村39-37の3−0で松本。駒木の採点は「A」39-37「B」40-37で松本優勢。
松本は4回戦選手としては珍しい技巧先行タイプ。粟生隆寛[帝拳]と内藤大助を足して2で割って、何割か差し引いたような選手。前回デビュー戦から落ち着きを見せ、今回も一皮剥けてみせたようにセンスは感じるが、パンチの精度や威力に欠けて総合力は4回戦の中〜上位級。
辻は一本調子に突進、突進に終始した試合内容。結果的にスピードとセンスの差が大きく今日の相手には通用せず。浴びせる連打もやや雑だった。こちらは4回戦中位からやや下のパフォーマンス。