駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2試合・フェザー級4回戦/○松井博史[奈良六島](判定2−0)佐々木健[金沢]●

両者戦績は松井2勝(1KO)1敗、佐々木は未勝利1敗1分。松井は昨年9月以来の試合で、エディタウンゼントジムからの移籍緒戦。佐々木は昨年3月にデビューしドロー、10月に敗れてこれが3戦目。
1R。佐々木は以前よりガードを高く上げて正攻法の構えからアグレッシブな攻勢。松井はパーリングとステップワークでこれを捌きながら精度の高いジャブ中心に迎撃する。佐々木はラウンド中盤から圧力を増してヒットを重ね、右ストレートをクリーンヒットさせてノックダウン。佐々木はダウンを奪った自分の拳を凝視して雄叫びを上げてテンションは最高潮。しかしそこからは気が逸りすぎて松井に凌がれ痛恨の仕留め損ない。
2R。松井はやや躊躇いつつも打撃戦へ打って出て、ストレート中心にヒット、有効打を重ねた。佐々木も手数を出してカウンタも狙ってみたが、このラウンドはやや数的劣勢。
3R。佐々木は先手、先手の攻撃だが、松井がステップとパーリング代わりのカウンターで対処し、逆にジャブ、ストレートを的確に当ててゆく。佐々木もアッパー、フック交えて懸命に手数出したが、ここは打ち負けた。
4R。中間〜近距離の打撃戦。松井がジャブで先手を奪い、ストレート、左フックで打ち勝って、ヒット数で完全に優勢。佐々木も必死に奮戦するが、紙一重の打ち負けを繰り返して気がつけば泥沼の劣勢に陥ってしまった。
公式判定は野田38-37、洲鎌38-37、新井38-38の2−0で松井。駒木の採点は「A」「B」いずれも38-37で松井優勢。
松井は1Rにダウンを喫する不覚も。その後はエディジムで培ったアウトボクシングと奈良六島で身につけた好戦的なファイトを融合させた戦い振りで見事に逆転した。あとはパンチ力がもう少しつけば……。地力は4回戦中位〜並クラス。
佐々木はガードを上げて正攻法のファイトスタイルに転換。目立った欠点も無くなって試合振りに安定感も出て来たが、技術、パワー、手足体のスピードのいずれもまだまだ強化の余地が残されている段階。初勝利を目指すためにも、ここからもう一枚殻を打ち破って欲しいところだ。