駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1試合・Sフェザー級4回戦/△中坂正人[千里馬神戸](判定0−1)須賀大輔[Gツダ]△

両者戦績は中坂1勝(1KO)1敗2分、須賀は未勝利で2敗3分。中坂は過去4戦で他地区遠征が既に2試合という変わった戦績。前回3/18で初めて神戸の興行に参戦したが、ドローに終わっている。須賀はデビュー以来ドローを3つ並べた後、連敗。最近は試合間隔も長くなりがちで、自身の道筋をつけるためにも早く初勝利が欲しいだろう。
1R。須賀がアグレッシブに手数振るって先制。肘も当たるラフな攻勢ながらラウンド序盤から飛ばしてヒット数で大差を築く。中坂はスピード、圧力にやはり難有りで守勢に回るが、時折左ボディや右クロスカウンターでヒット、有効打を稼ぐ。
2R。中坂が重い強打を振るい、須賀をパワーで吹き飛ばす。須賀もラウンド前半は細かく手数を浴びせていたが、やがて失速。後半には中坂の重たいフックが次々とクリーンヒットして大いに効かせた。
3R。中坂はガード上げジャブ起点の攻めを展開するが、やや勘が狂っている印象で、須賀の右ストレートや左ボディ中心の攻めに遭って苦戦。それでもラウンド後半は右アッパーなどを強振していったが、須賀の方がヒット数では優位でジャッジは微妙。
4R。ショートレンジ打撃戦。共にコンパクトなショートブローで手数、ヒットを稼いでほぼ互角の攻防。だが強打の威力は中坂が一枚上で、ラウンド終盤には右フックの有効打を追加して突き放す。
公式判定は宮崎39-38(須賀支持)、北村38-38、野田38-38のマジョリティドロー。駒木の採点は「A」39-37「B」39-38で中坂優勢。中坂の強打と須賀の手数、いかにも主観でジャッジが割れそうな内容の試合だったが、公式ジャッジは須賀の手数をやや重く見たようだ。
須賀は相手のパワーパンチに苦しめられながらも手数豊富、アグレッシブに攻め続けて1-0ドローまで持ち込んだ。総合力は4回戦中位級からやや下のレベルで横ばいながら、この調子なら初勝利も射程圏内と言えそう。
中坂は硬質な音が響くパンチでインパクトを残したが、手数劣勢なのがジャッジに嫌われた形。スピード不足、試合運びの下手さをパンチ力でカバーしているのだが、長所がマイナスをゼロに戻すだけの役割で終わってしまう現状を5戦3ドローの戦績が物語っている。