駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

ライト級展望

決勝進出者及び今期成績

  • 竹中聡[大鵬] 5勝(2KO)2敗1分 
    • 西日本準決勝 VS長島謙吾[尼崎]△(判定1−0勝者扱い/38-37、38-38、38-38)
    • 西日本1回戦 VS松村直人[明石]○(2R2分32秒KO)
  • 渡場大輔[大阪帝拳] 5勝(2KO)無敗 
    • 西日本準決勝 VS瀧波大佑[千里馬神戸]○(判定3−0/39-37、39-37、39-37)
    • 西日本1回戦 VS西尚樹[Gツダ]○(1R2分56秒KO)

試合展望

ライト級は戦前からの有力候補上位2名が順当な勝ち上がり。デビュー以来5連勝で波に乗る渡場に対するは3度目の挑戦で決勝進出を果たした竹中。この微妙な立場の違いが勝負の行方にどう影響するか?
竹中は、デビュー当初から4回戦では明らかに上位クラスの技術を持ち、順調に勝ち星を積み重ねて来たのだが、新人王戦では毎年2回戦が鬼門。先の準決勝でも初回にダウンを奪いながらも終わってみればドロー勝者扱いという薄氷を踏む判定結果に。接近戦や乱戦になると足を止めて消極的になる傾向があり、自分のペースと距離を確保出来ている時とそうでない時の落差が激しい原因になっている。今回もこの点がカギとなるだろう。
渡場はハンドスピード豊かなショート連打が持ち味の攻撃型。デビュー当初は派手な攻勢がなかなかダメージに繋がらない印象もあったが、このトーナメント戦では1回戦でタメの効いた左でワンパンチKO、準決勝ではメリハリの効いた連打を披露し、進歩の跡を見せつけた。試合振りも安定して来ており、一戦ごとの上積みが顕著である。
試合は接近戦を好む渡場と、距離を開けての技術戦に持ち込みたい竹中の間で、まずは眼に見えない駆け引きが激しく繰り広げられるだろう。渡場はともかく乱戦に持ち込んで得意の連打と強打を活かせる展開を模索する。竹中は足を使いつつ先手、先手の攻めを心掛けてチャンスに繋げたいところだ。本来の地力面では大差ない両者だが、先述のように乱戦を好む渡場を前にした竹中には不安材料が大きく圧し掛かる。相性的な面を踏まえて「渡場有利」の見解を添えておこう。竹中は長期戦になればなるほど不利が予想されるだけに短期決戦の覚悟で臨むのも一手か。