駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

六甲アイランド昼夜興行

8月のクリス・ジョン×武本在樹に引き続いての六甲アイランド進出となった千里馬神戸ジム秋興行は、高砂ジム・明石ジムとの共同開催による豪華2部構成。第1部には高砂ジムのエース・三谷将之の日本タイトル3度目の防衛戦をメインとする全9試合・計46Rが、そして第2部にはA級選手主体のオール6回戦全8試合・計48Rがラインナップされた。実に17試合・94Rという超ボリュームである。
しかも今回は、最低額5000円のチケット1枚で、1・2部を通して観戦出来るというのだから、これは破格の大サービスと言っていい。日本タイトルマッチ他、A級選手の試合が全ラウンドの半数以上を占めている豪華さは、04年にGツダジムが開催した通しチケットの二部制興行に勝るとも劣らない贅沢さである。
ただ、贅沢には代償が伴うもので、この日は興行開始から30分弱の途中休憩を挟んで全試合終了まで7時間40分の長丁場。流石に筆者も途中で集中力の限界を感じる時があった。17試合を僅か7人(うち1人はC級専任)で担当したレフェリーや試合役員諸氏の疲労度は如何ばかりか。
とはいえ、興行全体のメインである日本タイトル戦を第1部メインの9試合目に置き、第2部では目玉級選手の試合を先に行って、非マニア層の観客には昼食後から夕方までの時間帯で“良いとこ取り”が出来るように配慮していたのは心憎いばかりである。第2部の試合をA級ながら6回戦に短縮した事も含め、観客の事を考えた上で業界内の旧弊を打破しようとしたプロモーター側の姿勢は、もっと評価されなければならないだろう。


なお、この日は日本タイトルマッチ要員として東日本から土屋レフェリーが来神。タイトル戦の副審だけでなく、第1・2部でも主審・副審の任に当たった。


※駒木の手元の採点は「A」(10-9マスト)「B」(微差のRは10-10を積極的に採用)を併記します。「B」採点はラウンドマスト法の誤差を測るための試験的なものですので参考記録程度の認識でお願いします。公式ジャッジの基準は「A」と「B」の中間程度だとお考え下さい。また、今回からタイトルマッチに限り、現在WBAで導入が検討されているハーフポイント制(ラウンドマスト&微差のラウンドは10-9.5で採点)を「C」採点として実験的に導入します。