駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第13試合・フライ級契約ウェイト(50.0kg)10回戦/○山口淳一[森岡](8R1分21秒KO)ペーエック・シットゴーボンガーンビム[タイ国]●

山口は7勝(1KO)2敗3分で日本Lフライ級11位。先の第12試合に出場した鋭二の双子の兄にあたる。02年にデビュー、新人王戦では、03年の初挑戦時はこの年の西軍代表となる岡田正継[Gツダ]に敗れ、05年の再挑戦時は準決勝でドロー敗者扱いに泣いた。06年の2戦は連続ドローと足踏みするが、今年4月に久々の勝利を挙げてA級昇格を果たし、7/29に当時のミニマム級日本ランカー・橘悟朗[エディ]に判定勝ちして日本ランクを奪取。今回はランキング登載後の緒戦。無名のタイ人が相手とあって、今回は勝ち負けだけでなくランカーとして相応しい内容を要求される試合となる。
対するペーエックは今回が初来日で8勝(2KO)6敗の戦績がアナウンスされた。85年11月生まれの22歳、デビューは04年6月とのことだ。
1R。山口はガードを固めつつ、早いジャブ中心に仕掛けるが、ペーエックは速いステップのヒット&アウェイで互角の応戦。山口は終了ゴング前に右上下トリプルで小さくヤマ場を作ったが。
2R。ペーエックはこのラウンドも軽快なステップワークを駆使し、断続的な打ち合いにも五分にこなしてみせる。山口は左フックをクリーンヒットさせて効かせるが、戦意の高いタイ人に反撃されて被弾も多い。
3R。ペーエックはロープを背負いつつも完全にカウンター狙い。山口はアグレッシブに仕掛けるが、のらりくらりと捌かれるシーンも目立つ。山口の強打は照準が定まっていない。
4R。にわかに打撃戦模様となるが、互いに相手の反撃をバックステップでいなす事が多く、試合の流れはブツ切りになりがち。ペーエックの抵抗強く、山口は効かせても詰め切れない。
5R。ペーエックはロープ背負っての右アッパー狙い。山口はそれを捌きつつヒット&アウェイで堅実な攻め。ヒット数では大差優勢を築くが、相手の反撃を警戒し過ぎてチャンスを逃すパターンが目立つ。
6R。山口の一方的攻勢。ロープへ詰めて上下へ自在の攻撃も、ペーエックはガード固めて打ち終わりにワン・ツー、アッパーを放って抵抗。山口の勝勢明らかで、決着は時間の問題だが……
7R。山口の攻撃ターンに終始した3分間。ペーエックは完全に専守防衛で粘りこみ。山口は左フックでクリーンヒットを奪うが、その後にガードを敗れず仕留め損なう。
8R。ここも一方的な展開。山口はボディブローで効かせて右ストレートで遂にノックダウン。ペーエックは戦意喪失して立たず10カウントを聞いた。
山口は粘りに粘るタイ人を攻めあぐみながらも何とか倒しきって久々のKO勝ち。ランカーとしてのノルマを何とかクリアした。前回の橘戦との対比で見ると、やはり彼は相手がアグレッシブであればあるほど噛み合いそう。