駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

フライ級展望

伝統のフライ級は12名参加。

出場選手及び07年以降の戦績

  • 中村優一[正拳] 2勝(1KO)1敗1分 
    • 07/12/16 VS長田瞬志[陽光アダチ]○(判定3−0/39-38.39-38.39-38)
    • 07/07/28 VS長田瞬志[陽光アダチ]△(判定0−1/38-38.38-38.38-39)
    • 07/04/29 VS松村健佑[Gツダ]●(判定1−2/39-38.38-39.38-39)=LF級西日本1回戦
  • 林昭文[川田] 1勝(0KO)無敗
    • 07/11/25 VS内海秀樹[倉敷守安]○(判定2−0/39-37.39-38.38-38)
  • 前原隆治[ハラダ] 2勝(1KO)無敗 
    • 07/07/26 VS横山集[明石]○(判定3−0/40-36.40-36.40-37)
    • 07/05/12 VS福永雅英[ヨシヤマ]○(2R2分57秒TKO)
  • 松浦卓也[六島] 3勝(0KO)無敗 
    • 07/12/24 VS木村聡[塚原京都]○(判定2−1/39-37.39-38.38-39)
    • 07/07/28 VS西村崇[ヨシヤマ]○(判定3−0/39-37.39-37.39-37)
    • 07/02/12 VS前川和範[Gツダ]○(判定3−0/40-36.39-37.39-37)
  • 甲斐巧真[泉北] 1勝(0KO)1敗1無効試合 
    • 07/12/18 VS安藤佳孝[塚原京都]○(3R1分19秒負傷判定3−0/30-26.30-26.30-27)
    • 07/08/26 VS井上拓哉[新日本大阪]●(判定1−2/38-37.37-38.37-39)
    • 07/06/10 VS井上拓哉[新日本大阪]×(無効試合
  • 倉本昌紀[ワイルドビート] 2勝(0KO)無敗
    • 07/11/04 VS仲田雅宗[八尾]○(判定2−1/39-38.39-38.38-39)
    • 07/06/17 VS真鍋裕毅[進光]○(判定3−0/40-36.39-36.39-37)
  • 山本直輝[塚原京都] 3勝(2KO)4敗2分 
    • 07/11/04 VS孫田敏晴[レンゴー]○(2R2分54秒KO)
    • 07/05/20 VS加藤心和[金沢]●(判定0−3/37-40.36-40.36-40)=SF級西日本2回戦
  • 加藤毅[ヨシヤマ] 4勝(1KO)2敗1分 
    • 07/11/04 VS大前貴史[東海]○(判定2−1/39-38.39-38.37-39)
    • 07/04/08 VS吉田ファンキー[奈良六島]●(2R2分00秒KO)=F級西日本1回戦
  • 仲田雅宗[八尾] 1勝(0KO)1敗 サウスポー 
    • 07/11/04 VS倉本昌紀[ワイルドビート]●(判定1−2/39-38.38-39.38-39)
    • 07/06/10 VS藤井雄也[大星森垣]○(判定3−0/40-37.40-37.39-37)
  • 山中康弘[クラトキ] 1勝(1KO)2敗 サウスポー 
    • 07/07/08 VS浮田博展[倉敷守安]●(3R1分20秒TKO)=LF級西日本準決勝
  • 横山集[明石] 1勝(0KO)1敗 
    • 07/11/04 VS別所航平[堺F興和]○(判定3−0/38-37.38-37.38-37)
    • 07/07/26 VS前原隆治[ハラダ]●(判定0−3/37-40.36-40.36-40)
  • 樋口裕二郎[金沢] 1勝(0KO)1敗
    ※06/10/29以来1年5ヶ月長期休場

トーナメント展望

昨年までの実績組が消えて初出場組中心だが、好戦績の選手も居て小粒なりに粒揃いのメンバー構成となった。
無敗の選手たちにも目が行くが、有力候補には山本と甲斐の2人を抜擢したい。山本は初勝利までに随分と時間を費やしたものの、ここ1〜2年ほどは精度と回転力の備わった攻撃で安定してきた。昨年は後の西軍代表・加藤心和[金沢]に完敗を喫しているが、抜けた存在の居ない今期なら十分にチャンスはある。甲斐は勝ち運に恵まれず戦績はパッとしないが、昨年末の3戦目で見せた攻撃力は出色。緒戦の出来次第では一気に台頭する可能性もある。
次位集団には唯一の4勝・加藤、3勝無敗の松浦、変則コンビネーションと当て勘の鋭い前原、そして“大穴”として昨年の準決勝で敗れるも途中まで健闘した山中の計4人を挙げておく。しかし彼らが西日本制覇を果たすには、地力面で現時点から何らかのプラスアルファが必要だ。

前半戦各試合展望

◎Aブロック=[中村優一×林昭文]×[前原隆治×松浦卓也](4/5尼崎&4/18府立第二&6/22尼崎)
中村×林は、筆者が林の試合を未見のため何とも言い難いが、林のデビュー戦は2戦連続KO負けの相手に接戦の判定勝ちと物足りない結果。中村も最近試合内容が良くないが、中国・四国と京阪神地域格差分だけ優位か。前原×松浦はアグレッシブながら守備難を抱える者同士の対戦で波乱含みながら、前原が松浦苦手の密着距離でトリッキーな連打を浴びせて流れを掴むか。松浦は接近される前に手数を浴びせて撃退したい。
2回戦は、誰が勝ち上がるにせよ前原・松浦が中村・林よりも地力面で一枚上。
◎Bブロック=甲斐巧真×倉本昌紀(4/18府立第二)
この階級はシード選手同士が対戦する変則の組み合わせ。甲斐は緒戦を主審のミスによる無効試合、2戦目はダウンを奪うも微妙な判定負けで落とすも3戦目は好内容で完勝。精度・威力兼備のパンチは魅力的。倉本はデビュー以来連勝しているが、ここまでの内容は手数に依存した力任せの印象が否めない。よって、ここは技術・パワーで優位の甲斐が主導する展開になりそう。事によれば早い段階での決着も。「甲斐有利」の情勢だ。
◎Cブロック=[山本直輝×加藤毅]×[仲田雅宗×山中康弘](4/5尼崎&5/25和歌山&6/22尼崎)
山本×加藤は前半戦の注目カード。山本は4回戦では高い精度のコンビネーションを駆使して有利に試合を進めそうだが、手足のスピードや守備面が物足りない。加藤はその弱点を突いて先手で攻めたい。パンチ力はあるだけに、展開がハマればKO勝利も。仲田×山中はサウスポー同士の対戦で不確定要素が多いが、山中が昨年の新人王戦で見せたキレの良い動きがホンモノなら地力的に一枚上だろう。仲田は連打の精度難がどこまで改善されているかがカギ。主武器の単発左ストレートだけでは新人王戦を勝ち抜くのは難しい。
2回戦は1回戦の内容次第でどう転ぶか判らないが、現時点では山本×加藤の勝者が有力。
◎Dブロック=横山集×樋口裕二郎(3/20神戸)
こちらも変則シードの2回戦。横山はスピード不足で主導権を取り損ね、受身に回って苦戦するパターンが目立つ。一方長期ブランク明けの樋口も06年10月の試合は、いかにも未勝利選手という大振り中心の粗い試合振りだった。
この試合は、ブランクの影響が軽ければ樋口が強引な手数攻めで、単発傾向のある横山を受身に回して主導権を確保しそう。横山は勝った試合でダウンを奪った左カウンターの手応えを思い出して戦いたい。「(条件付で)樋口有利」という見解になるが、現時点ではどちらが勝ち上がっても準決勝以降はかなり厳しいだろう。