駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

試合展望

バンタム級は混戦模様の中から、昨年1年で4試合のハードスケジュールを経て地力をつけたデビュー3年目の大前と、1戦1勝のエントリーから勝ち上がった新鋭・高野の対戦となった。
大前は手堅い守備を主体に置きつつも、一度攻勢に移れば好戦的な所も見せる。以前は攻防分離の傾向が強かったが、それが解消されると共にインサイドワークも見について来た。高野は緒戦の新人対決を好内容で際どくクリアすると、準決勝でも変則の相手に惑わされず基本に忠実な好守でジャッジを味方につけた。目立つセールスポイントは少ないが、全身を上手く使ったディフェンスに、キャリアの浅さを感じさせない上下左右の打ち分けと、穴の少ない好選手。これからの成長に期待のかかる存在である。
試合は、共に手堅い試合運びを身上とするタイプなだけに、ショート〜ミドルレンジを主戦場に一進一退の攻防が繰り広げられるだろう。最大の争点は大前のアグレッシブなアタックを高野がステップワークで捌けるかどうか。大前が勝負のカギを握っている分僅かにアドバンテージがあるが、地力水準は拮抗しており形勢は「ほぼ互角」である。