駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

 スーパーバンタム級

決勝進出者&今期戦績

  • 佐藤裕樹[ハラダ] 6勝(1KO)4敗4分
    • 西日本1回戦 VS上村徹[ワイルドビート]○(判定3−0/39-36.39-36.38-37)
    • 西日本2回戦 VS山中浩之[大阪帝拳]○(3R2分59秒TKO)
    • 西日本準決勝 VS河本貴至[井岡]○(判定3−0/40-36.40-36.40-36)
  • 菊地永太[真正] 5勝(1KO)1敗2分
    • 西日本1回戦 シードのため不戦勝
    • 西日本2回戦 VS橋本峻[明石]○(判定3−0/39-37.38-37.38-37)
    • 西日本準決勝 VS棚橋直樹[Gツダ]○(判定3−0/40-37.39-37.39-38)

試合展望

上位拮抗の団子レースと予想されたSバンタム戦線だったが、長期ブランクの影響を全く見せずに再起成功した佐藤が豊富なキャリアと高い技術を見せ付けて急浮上。もう1人のブロックからは、3度目の挑戦で初の決勝進出を果たした菊地がのし上がって来た。
佐藤は、豊かなハンドスピードと回転力、更に精度とコンビネーションの多彩さまで兼ね備えたレベルの高い攻撃技術が持ち味。必要に応じて角度を微調整しつつ繰り出すフックとアッパーは既にA級8回戦の水準。これに加えて堅実な守備で反撃の余地をも許さない。菊地は左ジャブ中心に回転力を活かした連打の弾幕で相手を撹乱すると共に、消耗を誘う作戦。2回戦では圧力をモロに浴びて苦戦したが、準決勝では小刻みに足を使って主導権を手放さなかった。真正ジムは開設以来男子選手の無敗記録が続いているが、これを止めずに西日本制覇を果たしたいところだろう。
しかしこの組み合わせは好守の正確性とスピードで上回る佐藤の地力が明らかに一枚上。佐藤はパンチ力に欠ける面があり、KO勝ちの公算は低いが、準決勝までのコンディションを維持していれば明確な差での判定勝ちが濃厚。よって見解は「佐藤有利」。菊地が勝機を見出すには、とにかく試合序盤で佐藤のペースを乱し、主導権を完全に掌握するのが条件になる。自分から圧力をかけて打ち合いを挑むか、足を使いつつのジャブ連打で守勢に回すか、ともかくも先手必勝の心構えで大一番に臨んで欲しい。