駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第4試合・フェザー級6回戦/△福原寛人(判定1−0・福原勝者扱い)熊谷謙志△

14人参加の西日本ブロック代表・福原寛人は、ここまで判定3-0、判定3-0、そして決勝は強豪・奥西章平を2RKOで破って、表彰では技能賞を受賞。開始直後からのラッシュでペースを強引に握るや、相手にボクシングをさせないまま2度のダウンを奪う快勝劇だった。
一方、中日本ブロックも14人参加で、その代表・熊谷謙志は4RTKO、判定3-0、不戦勝、判定3-0の勝ち上がり。参加者の少ない中日本地区では最大の激戦区を潜り抜けて来た。

1R。ロングレンジからジャブ、ワン・ツーが交錯する迫力のある立ち上がり。途中まではお互いに相手のパンチを捌いていたが、福原が1発有効打を奪ってから主導権がそちらに傾く。奥西戦の再現とばかりラッシュを見せるが、これは不発。福原はウィーブ中心のディフェンスも上手く、さすがというところを随所で見せた。
2R。福原は大振りのパンチが目立ち、更に接近戦でガードが低いというキズがあるが、このラウンドはパンチの精度の高さで欠点を帳消しにした。左右のフックが立て続けにクリーンヒットし、熊谷はグラつく。
3R。熊谷がストレート系のパンチで大振りの福原の隙を突く。甘いガードを突き破って有効打を決めていった。福原は横の足を使って翻弄しようとするが、パンチのスピードとタイミングに翳りが見えて劣勢。
4R。福原の悪い部分が全部出たようなラウンド。熊谷は接近戦に持ち込むと、ハンドスピードの差を活かしてショートパンチの打ち合いを制し、次々とヒットを奪っていった。福原はガードの甘さもあって、パンチというパンチをもらってしまう。
5R。このラウンドは福原が自分の距離を奪い返してペースを握る。熊谷は疲れが出たか攻めあぐね。それでも手数やヒット数は互角に持ち込んだが、全体的な主導権は福原が握っていた印象も。
6R。両者スタミナ切れか、接近戦での泥仕合に。こうなると3〜4Rの再現で、隙の大きな福原が被弾する場面が目立ち、見た目の印象が悪くなってしまった。

公式ジャッジは58-57(福原優勢)、57-57、57-57。公式記録はドローだが、ドローにつけたジャッジ2人の優劣判断を加味して、福原の優勢・勝者扱いとなった。駒木の採点も57-57。どちらに優劣をつけるかとなると非常に迷うところだが、獲ったラウンドの内容から考えると熊谷優勢でもおかしくない。ただ、公式判定では1-0の小差がついている以上、福原優勢で妥当なところだろう。

勝者扱いで西軍代表決定戦に進出した福原は4勝(2KO)3分。駒木は今回が福原の試合を見るのはまだ西日本決勝以来2回目だが、今日の接近戦でのモロさを見ると、判定で引き分けに持ち込まれる理由が分からなくも無い。西日本決勝のように瞬発力を発揮できる展開だと強いが、泥仕合になると苦戦するタイプなのではないかと想像してみるが、どうか。
僅差で涙を飲んだ熊谷はこれで4勝(1KO)2分となった。これが地元開催なら…と思ってしまうところだが、腐らず頑張って欲しい。