駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1試合・フェザー級4回戦/●森川弘幸(判定0−2)王田尚史○

両者初見。森川は1戦1勝。ネットの情報を見ると、アマ経験を持ち、今年10月のプロデビュー戦で判定勝ちしている。一方の千里馬所属の王田はこれがデビュー戦。
1R。王田が序盤から大振りのフックを連発して攻勢に出る。オープンブローの注意を受けるなど如何にも粗い攻めだが、上下に打ち分けて一応ボクシングをしようとする意識は窺える。威力も悪くは無い。一方の森川はパンチの正確性が高く、クリーンヒット気味に王田の顔面を撃ち抜く事もあったが、余りにもハンドスピードと手数に乏しい。ジャッジ的には手数と主導権で王田、技術とクリーンヒットで森川がそれぞれ優勢で際どいラウンド。
2R。このラウンドも王田の勢いに任せた攻めが目立つが、早くもややバテ気味か? しかし森川のパンチは相変わらずスピードが無く、間隙を突くシーンもあるが全体的には後手後手に回らされた感。
3R。スタミナ切れで動きの鈍った王田だが、足を止めての打ち合いに持ち込んで優勢に立つ。森川は王田の低いガードを前にしても、拙い攻めでダメージを与えきれない。
4R。両者体力を失って泥仕合気味の形勢。ほぼ互角の形勢だったが、終盤になって王田がクリーンヒット気味に2発有効打を奪う。バテながらも上下の打ち分けを忘れなかった姿勢には好感が持てた。
公式判定は39-37、39-37、38-38の2−0で王田。ドロー裁定が混じっていたのは少々驚きだが、王田の加撃が技術の伴わないものと嫌気されたか。駒木の採点は40-36で王田とした。
王田はデビュー戦を飾り、1戦1勝。今回は勢いだけで何とかなる相手だったが、もっとスタミナとワン・ツー主体で攻める技術を身につけないと安定した成績は見込めないだろう。せっかく恵まれた体をしているのに、パンチが手打ち気味だったのが気になって仕方なかった。一方、敗れた森川は1勝1敗に。こちらは技術こそソコソコ身についているものの、致命的なまでにハンドスピードが無い。これをどうにかしなければ今後も苦しそうだ。