駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2試合・契約62.5kg4回戦/●金谷将三(判定0−3)森山公則○

金谷は1戦1敗。デビュー戦は5月の千里馬神戸主催興行で生観戦している。正直、半年隔てて記憶は殆ど残っていないが、当時の観戦メモには「フック・アッパー中心の攻め」とか「手数が少ない」とかいった言葉が並んでいたので、粗いボクシングをして負けたのだろう。一方の森山はこれがデビュー戦。
1R。開始早々、森山が果敢に打って出る。いかにもデビュー戦といった感じで技術が伴わずバタバタしている印象だが、手数で圧倒して細かくヒットを稼いでゆく。金谷は冷静な試合運びを心掛けている感じだが、相変わらず手数に乏しいのが……。もっとアグレッシブさが欲しい。
2R。両者クリンチ気味の膠着戦だったが試合は大きく動いた。まず金谷が森山の姿勢が崩れた所を見逃さず左一撃でダウンを奪う。しかし森山もダメージは小さく、勝ち気に逸ってラッシュに来た金谷にショートを合わせてダウンを奪い返す。
3R。このラウンドも接近戦中心。しかし金谷はこの距離で攻めあぐんでいる印象で、どうもわざわざ自分から不利な状況を作りに行っている気がしないでもない。逆に森山は中間距離に勝機を見出し、隙を見てはパンチを浴びせて攻勢に出てゆく。
4R。前ラウンドと同様の攻防。森山が自分の距離を掴んでコツコツと細かいパンチを浴びせてゆく。ボクシングそのものは荒っぽいのだが、当て勘だけは面白いモノを持っている。金谷はチグハグな試合運びで、自分の実力を全く活かせていない。
公式判定は39-37、39-37、39-38の3−0で森山。駒木の採点は40-37で、やはり森山。
勝った森山は1戦1勝。今日は明らかに極度の緊張から舞い上がっている様子だったが、アグレッシブさで勝利をモノにした。次戦はキチンと練習の成果を出しての勝利を望む。負けた金谷は2戦2敗。技術云々よりもメンタル面に問題がありそうな感じがする。わざわざ自分の不利な距離に踏み込んでいく判断力の無さもそうだし、アグレッシブさを前に出す場面が全くズレている印象。リードジャブで先手を奪うボクシングを身につけなければ初勝利は遠そうだ。