駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第3試合・契約48.0kg4回戦/●奥村和也(判定0−2)諸一宇○

奥村はこれまで3勝2敗1分の戦績。諸は2勝(1KO)2敗1分で、5月に勝った試合を観戦している。4回戦ボーイにしては珍しく技術を感じさせる攻撃を見せるボクサーだ。
1R。諸がワン・ツーでリズムを掴んで、更にロングレンジからフックをヒットさせてゆく。射程距離が長いのが強みか。アグレッシブな攻めだけでなくディフェンスもシッカリしている印象で、バランスの良い選手と言う印象。後半にやや狙い過ぎて大振りが多くなったが、ラウンド全体を通じて明らかに優勢。
2R。諸はこのラウンドもアグレッシブに先手、先手だが、自分の距離であるロングレンジを確保しようとする余り、真っ直ぐ後ろに下がってしまう悪癖があり、そこへ奥村に追い討ちを掛けられて被弾する。それでも打ち合いになれば互角以上に持ち込んではいるが、奥村もこのラウンドはパーリングで諸のパンチを捌きつつ、手数で優勢に立った。ジャッジ的には微妙だろう。
3R。奥村は中途半端なデトロイトスタイルで、ガードが下がり気味なのが気になる。諸は逃さずその隙を突いて再三ストレートでクリーンヒットを奪ってゆく。もっとも諸はこのラウンドも真っ直ぐ後退する悪癖が顔を覗かせる。
4R。諸の狙い打ちが序盤から冴えるが、またしても後退してはロープ際に詰められて劣勢に。ヒットしたパンチの数では諸だが、手数では奥村が圧倒していた。手数か決め手かでジャッジ的には難しいラウンド。
公式判定は39-37、39-37、38-38のマジョリティ・デジションで諸。駒木の採点では38-38のドローだが、全体的な印象としては「諸の勝ちか、ドロー」といった感じなのでこの判定も妥当か。
勝った諸はこれで3勝目。技術的には見所があるが、真っ直ぐ後退する悪癖だけはどうにかしたい。横の足を使う事を覚えないと6回戦以上では壁に当たりそう。奥村はもうちょっとガードに気を配りたい。パーリングは上手いが、ボディワークも覚えないとガードの低さがモロに災いしてしまう。