駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第6試合・フライ級6回戦/△岡田正継(判定0−1)本田猛△

岡田は03年度ライトフライ級西日本新人王、本田は今年のフライ級西日本新人王戦1位(準優勝者)選手。なかなかに通好みのマッチメークだ。駒木個人としては、この試合が今日の“極私的メインイベント”である。両者の戦績は、岡田8勝(3KO)3敗2分、本田は6勝(4KO)2敗1分。
1R。両者ハンドスピードに長けたハイレヴェルな攻防戦。先手を奪ったのは岡田で、素早くワン・ツー・スリーを放ってヒットを奪う。しかし後半には本田も大きなパンチを当てて互角の形勢。
2R。2人ともディフェンス勘が良く、特にダッキングが巧みでお互いに殆ど被弾を許さない。静かながら激しい攻防が延々と続き、全く互角の3分間。
3R。このラウンドも距離感抜群のボクサータイプ2人のディフェンスが冴える。互いにロングレンジからのパンチを数多く放つが殆どが空砲。ジャッジ的にはヒット数、ジェネラルシップでやや優勢に立った本田が際どく獲り切ったか。欲を言えば両者とも守備偏重の嫌いがあり、もうちょっと3発以上のまとまった連打が欲しいところ。
4R。手数、ディフェンスではこのラウンドも両者譲らず、ジャッジ泣かせの戦いが続く。ただ、このラウンドは、岡田のジャブが度々本田の顔面を捉えたのが印象的に映ったが……。
5R。いよいよ我慢比べに耐えられなくなったか、本田が積極的に大きめのパンチを振り回して果敢に攻め始めるが、これは岡田の思うツボ。本田の隙の大きな動きを見切って、ジャブ、ストレート、アッパーを細かく打ち込んでゆく。
6R。ジャッジ的に劣勢を自覚したか、本田が前のラウンドにも増してアグレッシブさでKOを狙う。岡田はその攻め気を巧く捌いていたが、残り1分から根負けするように2発クリーンヒットを浴びてしまう。手数、主導権はやや岡田も、印象的な加撃を見せていたのは本田で、ジャッジ的には最後の最後まで際どかった。
公式判定は58-56(本田優勢)、57-57、57-57で1−0ドロー。駒木は58-57で岡田優勢としたが、際どいラウンドが多かったので、これも誤差の範疇だろう。
両者戦績に引き分けが1つずつ加算。どちらもこの試合で勝って、今後に弾みをつけたかった所だろうが、勝利の女神に悪戯されてしまったという感じ。ただ、どちらも日本ランカーを目指すとすれば、先述したように、いつでもトリプル以上の連打を繰り出せるようになっておきたい。