駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2試合・スーパーバンタム級8回戦/●竹下隆之(判定0−3)松田直樹○

竹下は8勝(2KO)7敗、松田は20勝(9KO)7敗3分の戦績。
1R。中間距離と遠距離の真ん中ぐらいのところからストレート・フックをクロスさせる8回戦のこの階級にしては荒っぽい試合。竹下が手数で勝り、不完全ながらヒット数でも優勢に立っていたと思われたが、ゴング寸前に松田の右ストレートがクリーンヒットしてダウンを喫する。
2R。松田は完全に狙い撃ちの姿勢。左フックと右ストレートで着実に有効打を奪ってゆく。一方の竹下は手数最優先で、精度こそ劣れどヒット数を稼ぐ。ジャッジ的には難しいラウンドで、採点者の主観が点数に反映されるだろう。
3R。このラウンドは手数で両者互角の攻防。竹下のボディーブローが多くヒットしていたが、終盤に松田もワン・ツーを連続ヒットさせて印象度の上では逆転か。
4R。竹下が2分頃に松田をロープに詰めてフックをクリーンヒットさせるも、直後に松田もストレートをクリーンヒット。手数・有効打数では互角の攻防。リング・ジェネラルシップは僅かに松田かとも思われるが、このラウンドも際どい。
5R。スタミナを欠いた竹下は泥仕合に持ち込むべくショートレンジに詰めてボディブローを地味に連発。一方の松田は、そんな竹下を突き放して距離を取ってはワン・ツーをヒットさせていった。このラウンドもジャッジでは際どい印象度勝負になった。
6R。竹下がバテながらも強引に泥仕合に引き込んでいった。松田も中盤にはラッシュを仕掛けてクリーンヒットを奪う場面もあったが、終盤には再び竹下主導の強引な展開へ。手数とヒット数では竹下が有利。あとはそれがテクニカル面からどれだけ認められるか。
7R。やや息を吹き返してきた竹下が懸命に手数を出し、優勢に試合を進める。松田の狙い撃ちはダッキングでかわされて不発。不恰好な試合運びながら竹下が凌ぎ切った。
8R。中間距離から両者ワン・ツーを激しく繰り出し、互いに良いパンチをヒットさせてゆく。が、この距離は竹下の距離で、ラウンド全体で見ると竹下が優勢に見えた。
公式ジャッジは78-74、78-75、77-75の3−0で松田。駒木のジャッジは77-74でやはり松田優勢。竹下は随分と勝ち星から見放されているらしいが、なるほどこの泥臭い試合運びでは8回戦で勝つのはなかなか難しいだろう。この試合でも北側リングサイドからの“オジキ系”野次が度々飛んでいた。