駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第3試合・スーパーフェザー級10回戦/△小堀佑介(9R1分15秒負傷判定/1−0)山崎晃△

興行的にはセミファイナルの試合。小堀は日本スーパーフェザー級4位で13勝(6KO)2敗、西日本から遠征の山崎はアマチュア時代に全国3位の実績を持ち、ここまで5勝(2KO)1分の戦績。9月の試合でOPBFランカーを判定で下し、現在は東洋太平洋フェザー級6位にランクされている。いわゆるランキング争奪マッチである。
1R。両者フェイントをかけつつ様子を窺う。前半は小堀の手数が目立ったが、後半は距離感を掴んだ山崎が反撃に出た。互角の情勢。
2R。距離を掴んだ山崎が小堀のパンチを避けつつヒット&アウェイを仕掛けるが、これは手数に乏しい。中盤以降、ガードの上からでも強引に攻め込んで行った小堀の方がアグレッシブの観点で優位か。
3R。このラウンドも精度こそ劣るが手数で押して行く小堀と、少数必打でそれを迎撃し、ヒット数で優勢に立つ山崎。ジャッジ的には見方の分かれる形勢だが、アグレッシブとジェネラルシップの2要素を制した小堀が際どくも優勢か?
4R。小堀が左右のフックで攻め立てるが、これは大振り過ぎ。それをダッキングでかわしてからワン・ツーでリズム良く攻める山崎の印象が良かった。
5R。完全に小堀の攻めを見切った山崎が自在の攻め。ややガードの下がって来た小堀の顔面にジャブ・ストレートを無数にヒットしてゆく。ロープ際に追い詰めるシーンもあったが、近距離になると感覚が狂うのか、これは不発。
6R。小堀の大振りパンチはこのラウンドも不発。山崎は顔面にジャブを面白いように当ててゆく。中盤には右ストレートをクリーンヒットさせ、このラウンドは完全にワンサイド。
7R。サイドステップを巧みに、このラウンドも山崎がペースを掌握。しかし、小堀はフックを少なめにして細かいパンチでヒットを奪う作戦に軌道修正したので、ここ2ラウンドより差は小さい。山崎はどこかで歯を折ったか顎を外したか、顔面が異様に腫れ始めた。
8R。怪我のためか山崎はやや精彩を欠いた動き。無為な接近戦を挑んで劣勢に立つ場面もあり、試合の流れが変わり始めた。中盤になって山崎が盛り返したように思えたが、そこから小堀が再び泥仕合に巻き込んで互角の展開に。
9R。山崎が巧みに主導権を奪い返して優勢に立っていたが、1分15秒の時点でドクターチェックが入り、試合終了の勧告。負傷は偶然のバッティングによるものという裁定で、勝負は9ラウンドまでの判定結果で争われる事となった。
その公式判定の結果は87-86(小堀優勢)、87-87、86-86の1−0ドロー。しかし88-85で山崎優勢の採点をしていた駒木はこれには唖然。森田健氏をはじめとする大ベテランの東日本ジャッジ諸氏に西日本から来た半可通の若造が異議を唱えるのも分不相応だが、さすがにこれは納得行きかねる判定だった。