駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第2試合・Sバンタム級(54.5kg)契約ウェイト6回戦/●松村聖(6R0分22秒TKO)武田高広○

松村はここまで7勝(2KO)1敗2分の戦績。かつては中日本の畑中ジム所属で、03年にはバンタム級の中日本新人王決勝まで進出している。現在は大鵬ジム所属。一方の武田はここまで5勝(1KO)5敗。敗戦の目立つ4回戦時代では、三谷将之、井野秀作などと対戦(いずれも敗北)しており、なかなか内容の濃いキャリアを経験している。
1R。中間距離からのワン・ツー中心の攻防。共にヒット数少ない展開だが、武田が両者通じて数少ない有効打をボディに集め、更に圧力をかけて主導権を傾かせる。松村も横の足を使って応戦するなど、さすがに6回戦といったところか。
2R。このラウンドも、武田が圧力をかけていってボディ中心の攻め。松村もショートフック&アッパーでヒット数で迫るが、コーナーに詰められクリーンヒットを浴びるシーンがあって印象で見劣ったか。
3R。松村が距離を開け、向かって来る武田をワン・ツーで迎撃して一旦は優勢に持ち込む。しかし、後半に武田が松村をロープに詰めて左フック、アッパー、右ボディとクリーンヒットさせて形勢逆転。武田のプレッシャーがとにかく強い。
4R。武田が序盤から左ボディ、右フックをクリーンヒットさせてペースを握ると、更に圧力をかけてショート連打。松村もワン・ツーで細かくヒットを奪うが、手数も含めて劣勢。
5R。松村が前半に手数を出して攻勢も、中盤からはクリンチ気味の膠着戦に突入し、ペースを握り損ねた。終盤には武田が接近戦で有効打を放ち、効かされた松村はロープ際で連打を食らった。互いに見せ場は作ったが、印象度の差は大きいだろう。
6R。武田が開始直後から連続してヒットを奪い、一方的な展開になるか……と思われたところで、松村サイドのセコンドからタオルが投入され、ここでTKO。判定でも明らかに劣勢で、これは冷静な判断だろう。
自分のボクシングに相手を引っ張り込んだ武田の完勝。松村は最後まで守勢から脱する事が出来なかった。