駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第2試合・バンタム級4回戦/○辻松邦哲(判定3−0)高橋裕幸●

第2試合は、昨年8月のデビュー以来2戦2勝(1KO)の辻松が、この日デビューの高橋を迎え撃つオープン戦。
1R。両者攻守共に基本に忠実なワン・ツー、ブロック中心の戦い振り。スピード・手数共に互角だが、高橋はダッキングが上手いもののガードがやや緩い感じ。この辺りは実戦勘の問題か。ヒット数もほぼ互角で甲乙付け難いラウンドとなったが、一日の長のディフェンスで主導権を握ったように見えたのは辻松。
2R。テクニックの差をカバーすべく泥仕合に持ち込みたい高橋だが、パンチの精度が甘い部分もあって辻松に上手く捌かれた。その辻松はヒット数が優勢でポイントを奪ったが、コンビネーションがワン・ツーで止まってしまうのが残念。上を目指すなら3連打以上が欲しい。
3R。序盤は高橋が強引に攻めて左フックを2発クリーンヒットさせるが、ヘディングで減点1のペナルティ。逆に辻松は中盤以降、中間距離からジャブをコツコツと当てて主導権を奪回し、続けざまにストレートで有効打で形勢挽回。
4R。高橋が強引に距離を詰めてショートを連打。かなりアグレッシブに攻めていたが、対する辻松も離れ際のジャブで手数を稼ぐ。主導権は高橋が握っていたように思えたが、ジャッジは微妙。
公式判定は3者とも40-35で辻松支持。駒木の採点でも39-36で辻松。
辻松が経験の差を活かして確実な戦い振りを見せた。これで3連勝となったが、全て比較的キャリアの浅い楽な相手だっただけに、戦績だけで過大評価は禁物だろう。6回戦以上で戦うには、もっと多彩なパンチが欲しいところ。高橋は攻守共にキャリアの浅さ故の甘さが感じられた。もっと練習を積んで次戦での初勝利を目指して欲しい。