駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第8試合・Sフライ級10回戦/○吉山博司(2R0分38秒TKO)パノムデット・オーユタナコーン●

吉山は現在日本Sフライ級10位で、ここまで11勝(4KO)3敗の戦績。しかし、ランカーとは言え目立ったキャリアは無い。今回の対戦相手・パノムテッドは元タイ国フライ級チャンピオンの肩書きを持ち、かつては小松則幸のOPBFタイトルに同級1位として挑戦した経験も持つが、33勝(12KO)23敗のキャリアのうち、来日しての戦績は実に0勝12敗。まさにこの業界の暗部を1人で体現しているベテランボクサーである。最近でも昨年9月、故・田中聖二の日本タイトル挑戦前調整戦に招聘され、2RTKO負けを喫している。(試合内容はhttp://d.hatena.ne.jp/komagi/20040920#p5を参照)
1R。パノムテッドは熟練の“噛ませモード”。吉山は様子を見つつ、2分過ぎからフック中心の攻めでヒットを奪いに行くが、打ち終わりにつまらない反撃も浴びる甘さを見せた。
2R。吉山が開始早々連打を見せると、パノムテッドは防戦一方に。コーナーに詰められてラッシュを受けた所で、大黒レフェリーが早めに止めに入った。頼まれなくても勝手に倒れてくれるタイ人にも「選手の健康管理を考えた早めのストップ」で救うとは……。
2RTKO勝ちを収めた吉山、本来なら決定力を褒めるべきなのかも知れないが、相手が相手だけに、どう評価していいのやら言葉が見つからない。今の所はジムのお家事情もあってか、随分と大事に育てられている印象があるが、27歳という年齢を考えると、こんな相手にキャリアを浪費している暇は無いのではないだろうか。