駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第6試合・Sフェザー級4回戦/○武本康樹(3R2分05秒TKO)林正敏●

フェザー級の2回戦。1回戦シードの武本康樹は、言わずと知れた日本ランカー・武本在樹の弟で、ここまで2戦2勝。8月のデビュー戦、11月の2戦目(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20041128#p5)と連続で生観戦しているが、まだ共有されたDNAから由来するセンスよりも荒削りな面の方が目立つ戦い振り。このトーナメントで化けられるか。
一方、4/3の1回戦(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050403#p4)を3−0の負傷判定で制した林は、ここまで3勝(1KO)の戦績。派手な戦績を鵜呑みに出来る実力かと言えば「?」だが、ここも無敗の戦績を積み重ねていきたいところ。
1R。武本は試合開始早々、トリッキーな仕掛け方の大振りをヒットさせ、これを起点に主導権を握る。林は距離を取ってチャンスを窺おうとするが、リーチで見劣る体格差ゆえの苦戦が続く。
2R。武本が、捨てパンチを交えた巧みなフェイントで林を翻弄。リーチ差を最大限に生かしたボクシングで自分の主導権を決して手放さない。林も懸命に反撃を試みるが、その攻撃も最小限度に食い止められた。
3R。明らかな劣勢を意識して、積極的に前へ出て得意の接近戦を挑みにいった林だったが、勢いに手数が伴わずに武本のパンチの当たる距離に居続けて守勢一方。最後は左右のストレート、フックを次々と浴びせられてレフェリーに止められた。
武本が、これまでにない新しいムーヴを連発して鮮やかなTKO勝ち。このファイトは各方面の関係筋からも高い評価を得たようで、どうやら優勝候補の一角に踊り出た格好だ。今日は目立たなかったが、ボディワーク中心のディフェンスにも見所がある選手なので、将来含めて楽しみな選手である。林は体格で劣る相手に自分のボクシングをさせてもらえなかった以上、こういう結末になるのは仕方ないところ。手数を伴ったアグレッシブさを身に付ける事が捲土重来への近道となるのではないか。