駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第9試合・Sバンタム級(54.5kg)契約ウェイト6回戦/○三須薫(判定2−0)浜田陽介●

セミファイナルは6回戦。とはいえ、三須2勝5敗4分、浜田4勝(1KO)6敗3分と、B級ボクサーにしては寂しい成績の両者の戦い。三須の試合は去年の新人王予選1回戦で観ているが、さほど強くない相手に何とかかんとか勝った…といった感じ。浜田は千里馬の主催興行で度々6回戦のリングに上がっているが、なかなか勝ち星を挙げられないでいる。
1R。中間距離で、やや粗い動きの攻防戦。三須が先手を打って、精度こそ低いもののストレート、フックを当てていく。浜田もストレートを返すが、手数でやや見劣ったか。
2R。初めは接近戦、やがて中間距離での戦いへ。手数は両者互角で、浜田がフックを有効打にすると、三須も出会い頭気味にショートブローを当てていった。ジャッジはかなり微妙。
3R。浜田は打ち終わりのガードが甘く、これが大きな欠点。三須はそれを見切って細かくヒットを重ねてゆく。浜田も強打を振り回して有効打を奪う場面もあったが、手数・ヒット数差を埋められたかは微妙。
4R。先のラウンドと同様の展開だが、このラウンドは浜田の右ストレート狙い撃ちがクリーンヒットとなり、印象的。三須も細かいヒットで肉薄するが、パワー不足が判定へネガティブに影響しなければ良いが……
5R。膠着気味の試合に。三須が狙い撃ち気味にヒットを重ねてやや有利だが、終盤に浜田がクリーンヒット気味の強打を2発浴びせて追い上げた。
6R。序盤、浜田が強打でペースを掴みかけるも、後半に入ると三須のしつこい攻めが功を奏して形勢逆転。終盤は完全に三須のペースとなって判定勝負へ。
公式判定は58-56、58-56(以上三須支持)、57-57の2-0で三須。駒木の採点は57-57ドローの際どい勝負。
手数、手数で粘り良く戦った三須が6回戦初勝利。4回戦で苦戦していた姿をよく知る人たちにとっては、「あと1つでA級」というのは非常に感慨深いものがあるだろう。ただし、現状の実力でその「あと1つ」がいつ手に入るかというと……。敗れた浜田は甘いディフェンスと、強打一辺倒のファイトスタイルが災いしているようだ。もう少し細かい所に気を遣った戦い方を覚えたい。