駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第5試合・ライト級4回戦/●ヒグチ祐人[エディ](判定0−3)塩沢公一[アダチ]○

両者デビュー戦の組み合わせだが、86年生まれのヒグチ、75年生まれの塩沢と年齢差実に11という異色の組み合わせ。なお、ヒグチのリングネームは、勤務先かスポンサーの企業名を名前に冠した“タイ方式”。
1R。序盤は中間距離でワン・ツーの打ち合い。これでやや優勢に持っていったヒグチが左カウンターでダウンを奪う。しかしこれで気合の入った塩沢は再三クリーンヒットを見舞って、形勢はほぼ逆転。
2R。デビュー戦だけに仕方ないが、両者ともガードが緩く、しかも早くもスタミナ切れで壮絶かつ荒っぽい強打合戦になる。これを前ラウンド終盤から勢いに乗る塩沢が右ストレートの連続クリーンヒットで制し、優勢。ヒグチの反撃はやや緩慢に映る。
3R。塩沢の右ストレートがこのラウンドも有効打として働き、アゴが上がり気味のヒグチが顔をのけぞらせるシーンが目立ち始める。後半、ヒグチは連打を細かく繰り出して反撃体制に入るも迫力が無く、逆に返り討ちに遭ってしまう。
4R。塩沢がバテながらもヒグチの打ち終わりを狙う左ジャブ、フック、右ストレートで優勢。逆に塩沢以上に体力を失ったヒグチの攻撃はスローモーで、ほとんど捌かれてしまった。
公式判定は39-37、38-37、38-37と3者とも塩沢支持。駒木の採点でも38-37塩沢。
若さに任せてヒグチが一気に決めるか…と思われたが、塩沢がデビュー戦とは思えない冷静なリカバーを見せて逆転を果たした。まだ修正すべき点も多いが、デビュー戦でこれだけ中身の濃い経験が出来たのは今後にとってもプラスだろう。