駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第6試合・フライ級(50.0kg)契約ウェイト8回戦/△橘悟朗[エディ](判定0−1)寺本尚人[倉敷守安]△

セミファイナルはノーランカー同士の8回戦。橘は6勝(1KO)2敗の戦績で、これが初めての8回戦。対する寺本は倉敷からの遠征。8勝(4KO)5敗2分の戦績を持つが、確認できる範囲では、8回戦での勝ち星はまだ無いようだ。
1R。橘が開始早々から足を使ってジャブを次々とヒットさせてゆく。大振り強打も狙うが、これは不発。一方の寺本はガードが低いのが気にかかる。接近戦でフック、アッパーを有効打とするが、全体的に不発気味で、手数でも見劣る。
2R。橘がこのラウンドも足を使ったジャブ主体の攻めで主導権。手数の差は歴然だが、寺本の右ストレート、左フックをマトモに食って少々危うい場面も。手数か強打かでジャッジは微妙か。
3R。橘がまたも手数、手数で攻めていくが、このラウンドは少々動きが粗く、ジャブもガードで捌かれてしまう。寺本はその間隙を突いて、左右の強打をヒットさせて印象的な場面を作る。中盤には一旦橘が盛り返したが、終盤に寺本が猛攻に出て再び形勢を逆転させた。
4R。橘の軽快な動きから繰り出されるジャブがまたも冴える。出来ればストレートなど2発目のパンチも当てて行きたいところだが、このジャブだけでもポイントを獲るに十分なヒット数を稼いだように見える。寺本はフック中心の強打で挽回を図るも不発。
5R。序盤から中盤にかけては、リードジャブが相変わらず冴える橘が支配的。精度今ひとつな強打に頼り気味の寺本だったが、終盤になってそのパンチがヒットし始め、ジャッジはまたも微妙に。
6R。序盤は寺本が強打で、中盤以降は橘がジャブで、それぞれ主導権を握る展開。このラウンドも採点する上では際どい。
7R。橘、このラウンドはディフェンスで魅せた。ダッキング、ステップワーク、パーリングで寺本の攻撃を食い止め、返す刀でジャブの洪水を浴びせていった。
8R。橘は果敢に強打も交えてアグレッシブに攻めるが、足が止まると寺本の強打も喰らってしまう。終盤になると、橘は再び手数中心の攻めに切り替え、判定勝負に備える試合運びで最後のゴングを聞いた。
手数と強打、どちらを重視するかで迷うラウンドが多かったが、この日の公式判定は強打重視。78-74(寺本支持)、76-76、76-76の1-0ドローとなった。いくら軽いジャブばかりだったとは言え、膨大な手数とヒット数で試合全体の主導権を掌握していた橘にとっては若干酷な判定結果だった気がする。手数重視で採った駒木の採点は79-71で橘優勢。ただ、これも結果的に橘に偏りすぎたかな、と集計してから自省した。