駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第7試合・Lフライ級4回戦/▲山口淳一[森岡](判定1−1山脇勝者扱い)山脇正輝[大阪帝拳]△

この日唯一の新人王戦はライトフライ級の準決勝。しかし、どうしてハラダジムのエントリーが無い階級なのに、こういう日程で1試合だけやるのか謎。せっかくなら客層の良いアゼリアかIMPでやらせてあげたかった。
山口は4/9の1回戦を2R終了TKO、6/25の2回戦を判定3−0でクリアしての準決勝進出*1。戦績は5勝(1KO)2敗。山脇は5/1の1回戦(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050501#p11)、6/5の2回戦(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050605#p3)をそれぞれ判定3−0で勝利。特に2回戦は相当なハイレベルで価値の大きな勝利だった。戦績はKO無しの4戦全勝。
1R。山口は開始早々から、回転力のある速いコンビネーションで手数を稼ぐ。山脇はこれを堅いガードでほぼ完封しつつ、カウンター気味にコンパクトなインサイドブローを放つ。両者互角の好ファイト。
2R。両者接近し、ガードを固めて豊富な手数で打ち合うレベルの高い打撃戦。山口が相変わらずアグレッシブに攻めて手数で上回るが、守勢に立っていた山脇も終盤には山口をロープに追い詰めて右をヒットさせて印象的な場面を作る。
3R。接近してのショート合戦。山口は相変わらずのアグレッシブさだが、やや回転力に鈍りが見える。山脇はこの山口の手数をガードで封じると、間隙を突いてボディを放ち、徐々に形勢を互角以上に持ち込んでいく。ゴング寸前には顔面に有効打を浴びせて印象良くラウンドを終えた。
4R。中間距離では山脇が主導権を確保し、優勢に。ならばと山口は接近戦を挑むがここでも山脇はガードで我慢を重ねて形勢互角を維持。後半になると山脇はロングレンジからのヒット&アウェイ戦法に転じ、自分が得意で相手が苦手な距離をキープ。山口に手数をも許さないまま試合終了のゴングを聞いた。見事な作戦勝ちのポイントアウト。
公式判定は39-37(山脇支持)、39-37(山口支持)、38-38(山脇優勢)の1−1ドロー・山脇勝者扱い。駒木のジャッジは39-37で山脇。
軽量級のスピードとアグレッシブな手数が映えた好ファイト。西日本の準決勝で終わらせるには勿体無い試合だった。前半は山口の機敏な動きと豊富な手数が光ったが、ラウンドが進むにつれて山脇の技巧が徐々に試合の主導権を掌握し、際どく勝利をもぎ取った。決勝の相手である須田も今日の山口と同型の選手だけに、この勝利は自信に繋がった事だろう。敗れた山口も6回戦は軽くクリアできるはずだ。A級に上がってからの活躍にも期待したい。

*1:この2日とも駒木は未見