駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第2試合・フェザー級4回戦/○小林克也[正拳](判定3−0)王田尚史[千里馬神戸]●

小林は3勝(2KO)1敗の戦績。4/24の新人王戦1回戦で1-2のスコアで判定負けし、今回が巻き返しの1戦。王田も5/1の新人王1回戦(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050501#p14)で敗退しており、ここまで1勝(1KO)1敗の戦績。豪快に過ぎる面もあるが、観客を沸かせるアグレッシブな戦い振りが持ち味。
1R。王田は、これまでの反省も踏まえてかジャブを起点にするオーソドックスな戦法を試みるも、小林が接近しての打撃戦を誘うと、望むところとばかりにショートレンジのフック、ボディアッパー合戦に突入した。王田も持ち前のアグレッシブさでよく戦ったが、小林のフックは4回戦の水準を明らかに越えたコンパクトかつ強烈なもの。質・量ともに形勢の差は明らかで、このラウンドは小林か。
2R。このラウンドも接近戦。王田はボディフック中心の攻めだが、前ラウンドのダメージが残っており動きにキレを欠く。それに対して小林は、右フック、左右のコンビネーションフックを数え切れないほど当てていって完全に優勢を築く。
3R。激しい打撃戦が続く。劣勢にも気落ちしない王田が手数を出して小林のガードを突き破っていくが、その小林も的確に上下へフックを集めていった。ほぼ互角の形勢。
4R。最後まで手数の衰えない激しいフックの応酬。ただ、攻守のバランスを取ろうとする小林と、被弾上等・攻撃偏重の王田とでは、どうしても有効打数に差が出てしまい、小林の優勢は揺るがない。しかし、最終盤、KO狙いのノーガード豪腕フック合戦に突入すると王田も見せ場を作り、会場を大きく沸かせた。技術云々は別にして、いかにもグリーンボーイらしい気合の入った好勝負。
公式判定は40-36、40-36、39-37の3−0で小林。駒木の採点でも39-37で小林が優勢。
レポート本文にも書いたように、フックの技術とディフェンスへの意識で優る小林が、ほぼ全ラウンドを通じて優勢を守った。新人王1回戦で負けるような選手とは思えず、総合的に見て4回戦上位クラス。王田も持ち味を活かして健闘したが、持ち味を活かしてなおこの結果という事を重く見てほしい。まずはディフェンスに対する意識を高く持つことから始めたい。