駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第4試合・Sフライ級4回戦/○山本幸史郎[ウォズ](判定2−0)飯田聖人[大阪帝拳]●

Sフライ級の準決勝第1試合。
山本は4/16の1回戦を判定2−0で突破し、2回戦は対戦相手の負傷危険による不戦勝。戦績は2勝(1KO)。
対する飯田は、4/3の1回戦(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050403#p2)を判定3−0、6/5の2回戦(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050605#p12)を2RTKO勝ちで勝ち抜いて来た。一戦ごとの着実な成長が窺える好選手。戦績は5勝(3KO)1敗で、唯一の敗戦は今期フライ級優勝候補筆頭の奈須勇樹に敗れたもの。
1R。山本はアグレッシブにハンドスピード十分のワン・ツーを打ち込み、終盤には強打も浴びせた。飯田は相手の作った性急なペースに戸惑いながらもダッキングで攻撃を避け、更に的確に左ボディ、フック、ジャブ、右ストレートと続けざまにヒットを奪う。形勢互角のラウンド。
2R。両者ヒット&アウェイで高いレベルの激しい打ち合い。山本が左フック、アッパーで先制すると、飯田もフック中心の反撃を見せる。ただ、この日の飯田は珍しく大振りが多い。前の試合で鮮やかな勝ち方をし過ぎて少々KOを狙い過ぎか?
3R。このラウンドも両者アグレッシブ。飯田はガードとダッキング巧みに山本の手数攻めを捌いていくが、守勢に回されて被弾も多い。普段はセコンドの指示を逐一守る選手だが、この日はそれをこなすだけの冷静さを失っているようだ。対する山本は、軽いフットワークとダッキングが冴えて僅かに優勢に思えたが、左ボディをクリーンヒットされて効かされ微妙に。
4R。お互いに大き目のパンチを打ち込みつつ、ダッキングでかわしつつ…の乱打戦。序盤、山本のストレートがクリーンヒットしてリードも、中盤になって体力が切れてマウスピースを吐き出す苦しい展開。だが、ここを精神力で乗り切って飯田の反撃を最小限度に封じ込め、最後まで手数とヒット数で優勢を保ち続けた。
公式判定は40-36、39-37、38-38の2−0で山本。駒木のジャッジは38-38イーブンだが、優劣の判断をつけるとすれば山本だろう。
山本が抜群のアグレッシブさとパンチのスピードと回転力で機先を制し、優勝候補を相手に最後まで主導権を譲らなかった。観戦記本文には書けなかったが、要所要所で決めたカウンターも効果的だった。
対する飯田、今日は力が入り過ぎと言うか、全体的に粗い動きだった。いきなり相手にペースを奪われて戸惑ったか、それとも欲が出てしまったか。沈着冷静かつ確実な戦い振りが持ち味の選手だけに、今日は自分に敗れたという感じ。キチンと自分のボクシングが出来れば8回戦まではトントン拍子に出世出来る力はあるのだから、もう一度初心に戻ってカムバックして来てもらいたい。