駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第5試合・バンタム級4回戦/●宮村裕司[神拳阪神](判定1−2)井戸本雅也[大阪帝拳]○

バンタム級の準決勝第1試合。
宮村は1回戦シード、2回戦は対戦相手の棄権で不戦勝で戦わずしてのベスト4進出。戦績は1勝(1KO)1敗1分。
対する井戸本は、5/1の1回戦(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050501#p13)、6/5の2回戦(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050605#p11)と共に流血の負傷判定で勝ち上がって来た。本命不在で混戦ムードのバンタム級戦線の中ではハンドスピードとディフェンスの技術が印象深い。戦績はKO無しの4勝無敗。
1R。宮村は出入り激しく手数を稼ぐ攻撃スタイルだが、フック中心のパンチはオープンブロー気味。井戸本はしばらく様子を見ていたが、やがて宮村の打ち終わりを狙って的確にジャブ、右ストレートを打ち込んでいった。なお、このラウンドに井戸本は早くもバッティングで目尻から出血。これで3戦連続の流血戦だ。
2R。このラウンドの宮村は、アグレッシブにアッパーなど細かいインサイドへのパンチを交えて手数を稼いだ。井戸本も手数負けしつつも隙を突いて有効打を奪い、ほぼ互角の展開。
3R。額をくっつけての超接近戦が中心となったこのラウンド、井戸本の的確な左ボディフックがクリーンヒットし優勢。宮村はスタミナ切れかパンチが“打つだけ”のパンチになり、オープンブローで1点減点されてしまう。
4R。このラウンドも超接近戦。強引にアッパー、フックで活路を見出そうとする宮村と、ワン・ツー中心に攻める井戸本。手数・ヒット数はほぼ互角だが、よりボクシングをしていた井戸本が判定面では有利か。
公式判定は39-36、39-36(以上、井戸本支持)、38-37(宮村支持)の2−1で井戸本が決勝進出。駒木の採点は39-36で井戸本優勢。
アグレッシブさを前面に押し出して攻勢に出た宮村だが、粗さの目立つ攻撃と井戸本の的確な反撃に及ばず。組み合わせの運・不運と反比例に広がったキャリアの差も勝敗の行方を大いに左右しただろう。井戸本は西日本王座まであと1つ。初の6回戦で持ち前の堅実さを活かして欲しい。