駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第6試合・バンタム級4回戦/○中村公彦[大星モリガキ](判定3−0)兵顕吾[エディ]●

バンタム級準決勝第2試合。
中村は5/29の1回戦、7/9の2回戦(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050709#p16)をクリアしての準決勝進出。戦績は3勝(1KO)1敗1分。
兵は1回戦シード、5/22の2回戦(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050522#p5)では手負いの対戦相手を順当に3-0判定で降している。戦績は3勝3敗。
1R。中間距離からのワン・ツー主体の基本に忠実な攻防。ただ、両者共にややパンチの精度に欠ける印象がある。大きな決め手に欠ける展開だが、中村は普段のラフなスタイルとは違うボクシングをした分だけ被弾が多かったような感。ただ、終盤にハッキリ攻勢に出たシーンもあり、大差は無い。
2R。中村は手数が多いが、兵がステップワークとウィービングでなかなかヒットを許さない。兵も中村の堅いガードに手を焼いていたが、それでもワン・ツーを細かく叩き込む場面があって少差有利か。
3R。一転して超接近戦の泥仕合に。両者目立った有効打も無く、細かいショートを打ち合う攻防が続いたが、中村のアグレッシブさが徐々に主導権を引き寄せてゆき、終盤には兵のバランスを崩させるヒットも奪った。
4R。終始額をくっつけるほどに接近して細かいショート合戦。2人とも「手を出しているだけ」という風な精度の低い攻撃の泥仕合だが、中村が勢いに任せて手数では優位に立ったか。
公式判定は3者とも39-37で中村を支持。駒木の採点では38-38イーブン。
「当てる」というより「打った弾みで当たる」パンチ中心の泥仕合。中村が必死に手数を繰り出して僅かにアグレッシブとジェネラルシップで優勢を勝ち取った。ただ、これより先はガムシャラさだけで通用する甘い世界ではなく、試練が続く。兵はジャブとディフェンスが持ち味の選手だけに、今日のような試合展開ではいかにも苦しい。