駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第8試合・フェザー級4回戦/●関屋勝則[塚原京都](判定0−3)佐藤通也[大阪帝拳]○

フェザー級の準決勝第1試合。
関屋は4/30の1回戦(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050430#p7)、7/9の2回戦(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050709#p10)と、いずれも引き分け勝者扱いのタイトロープな臨戦過程。ここ数ヶ月は体調に恵まれない事もあったと聞くが、今回は事実上の決勝戦とも言うべき正念場だ。戦績は1勝無敗3分。
対する佐藤は4/3の1回戦(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050403#p3)で昨年ベスト4の佐々木郁矢にTKO、7/9の2回戦(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050709#p18)では、やや格下の相手に食い下がられながらも、相手の持ち味を殺す、いわゆる“塩漬け”にしてしまうシブい試合運びで明確な判定勝ちを果たしている。
1R。両者ロングレンジでジャブ、ワン・ツーを捌きあう。クリンチが多めで噛み合わない展開となり、共にヒット数も稼げなかったが、自分のペースで試合をコントロールしているのは佐藤の方。
2R。佐藤がやや仕掛け気味に手数を出すが、これは関屋にパーリングでガッチリとブロックされた。その関屋は手数で劣勢だったが、終盤に右ストレートを1発打ち抜いた。ただ、ジャッジへのアピールにはインパクトが乏しかったようだ。
3R。佐藤が序盤から左ボディをヒットさせ先制すると、あとは巧みに距離を詰めて関屋に手出しをさせない得意の“塩漬け”ボクシング。関谷も軽いヒットを1〜2発打って食い下がるが……
4R。佐藤がクリンチワーク巧みに膠着戦へ持ち込んで関屋の動きを封じ、あとは隙を突いては軽いヒットでポイントを奪いに行く。終盤、左ボディのクリーンヒットを追加してダメ押し。
公式判定は3者40-36のフルマークで佐藤を支持。駒木の採点では39-37だが、佐藤の優勢は揺るがせない。
佐藤の色々な意味で新人離れした老獪なファイトスタイルが前面に出た試合。噛み合わない内容で、エンターテインメント性は欠けるものの、これも一種の強さか。関屋は自分のやりたい事を全くさせてもらえず、無念の4ラウンド。やはり今後の課題は相手のペースを崩すための勢いや駆け引きを身につける事だろう。