駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第8試合・Sウェルター級10回戦/○竹中義則[尼崎亀谷](2R0分50秒KO)ワット・ヴォー・ヴティナン*2[タイ国]●

メインイベントは、主催・尼崎亀谷ジムのエース格・竹中義則が登場。
現在日本ウェルター級3位の竹中の戦績は21勝(19KO)5敗1分。実に13年前の92年にデビューするも1戦のみで約2年のブランク。再起した94年にライト級の新人王戦で西軍代表となる。その後は調整試合でKO勝利を重ねつつ、時折ビッグマッチにチャレンジする……というルーチンを繰り返しており、タイトルマッチでは97年に日本ジュニアライト級(VSコウジ有沢・7RTKO負け)、02年に日本ウェルター級(VS永瀬輝男・判定ドロー)、05年に日本ウェルター級王座決定戦(VS湯場忠志・2RKO負け)と3度の経験がある。今回はタイトルマッチ敗戦後の復帰第1戦。
対するタイ国ウェルター級3位のヴティナン、戦績は19勝(5KO)8敗と発表されたが、boxrecのレコードでは既に14敗を重ねており、本当の所は不明。タイではタイ国ウェルター級王座の戴冠やPABAWBO東洋太平洋などの地域タイトル挑戦経験もある選手だが、過去4度の来日では全て3R以内にKO負けしており、その“仕事”ぶりは徹底している。
1R。ヴティナンはガードをダランと下げ、それでいて消極的なファイトに徹する完全な“噛ませモード”。竹中は自在にジャブを打ち込み、ストレートを有効打として圧倒。
2R。このラウンドもヴティナンは消極的な動き。竹中がヴティナンをコーナーに追い込んで右ストレートを1発クリーンヒットさせると、このタイ人は「そこまでせんでも」と言いたくなるほど大袈裟にひっくり返ってダウン。説得力があるんだか無いんだか分からないKO決着となった。
内容の全く無い試合ながら、無事再起を果たした竹中は緊張の糸が切れた様子で、勝利者インタビューでは涙声。いくら相手が相手とは言え、彼にしか分からない重圧も少なからずあったのだろう。今年33歳を迎えるベテランだけに、もうタイトルを狙うのは次がラストチャンスになるだろう。悔いの無い現役生活を全うするためにも、最後の精進に励んでもらいたい。