駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1試合・バンタム級4回戦/●安本祐太[尼崎亀谷](判定0−3)高橋裕幸[陽光アダチ]○

両者の戦績は、安本1勝(1KO)1敗、高橋1敗。高橋は5/1のデビュー戦(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050501#p3)でフルマークの判定負け。ダッキングの上手さが目を引いたものの、その他の技術に物足りなさが残った試合だった。2戦目の今回、どこまで上積みが望めたか。
1R。両者ともにフェイントを多用して慎重に様子を窺う。カウンター狙いに徹する安本に対して高橋が先に仕掛けていくも、なかなかアグレッシブに攻められない。パンチの方も基本のスタンスが崩れて体重が乗らないままで非力に映る。一方の安本も軽快さに欠ける動きでガードが緩いのが気になるが、ごく少ない手数の中からアッパーとストレートで有効打を奪って印象的な場面を作った。
2R。このラウンドは高橋が安本の甘いガードを咎めてジャブ、フックでヒットを重ねる。安本は鋭いパンチを時折繰り出すも、やや一本調子で高橋のダッキングに巧く捌かれてヒットは1発のみ。
3R。高橋が手数の出ない安本に対して先手、先手。コーナーに安本を追い詰めてカウンターを奪ったり、果敢にラッシュを仕掛けるなど的確にヒットを重ねていった。ステップインしてからの左フックなど“応用編”の動きも見せたが、いかんせんパンチが余りにも軽く、クリーンヒットがダメージ的にはクリーンヒットにならないのが残念。安本はパンチの精度に欠け、ヒットがなかなか奪えない。
4R。このラウンドも高橋。安本の一本調子なストレートをダッキングで捌いて、しつこくジャブや密着してのショートボディで手数を重ね、主導権を掌握。完全にジェネラルシップを独占して試合終了のゴングを聞いた。
公式判定は3者とも39-37で高橋支持。駒木の採点でも同様に39-37で高橋支持。
高橋が自分の得意なスキルをフルに活かして嬉しい初勝利。しかし攻撃面が根本的な所から間違っている状態だし、ダッキングに比べてガードが甘いのも気がかり。現状では2勝クラス以上の相手には苦戦必至だろう。一方敗れた安本だが、ガードが緩いわ手数が出ないわではどうしようもなかった。とにかくもっともっと練習を積まなくては2勝目は遠いだろう。