駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2試合・フェザー級4回戦/△藤田優人[明石](判定0−1)田中宏幸[千里馬神戸]△

両者の戦績は共にデビュー戦に負けて1敗。藤田は3/6のデビュー戦(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050306#p1)では、地に足の着いていないような戦い振りで、ガラ開きのガードに強打を叩き込まれて52秒KO負け。対する田中は5/22にデビュー(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050522#p1)。アグレッシブなファイトで手数では終始優勢に試合を進めながらも、バランスが悪く余りにも軽いパンチが災いして判定負けしている。どれだけ己の欠点を修正して来たかが勝負のカギとなるだろう。
1R。やはり田中が今日もアグレッシブ。ジャブを起点にフックなど強打も交えて主導権を握る。しかし全体的に猫パンチ気味で威力には欠ける。デビュー戦に比べると良くはなっているのだが……。一方の藤田は、さすがに2戦目ともなると落ち着き方が違うが、手数まで減ってしまい、こちらはやや落ち着き過ぎな感じ。ハンドスピードもイマイチで、攻撃は不発気味。
2R。このラウンドは藤田がジャブ、ストレートで積極的に仕掛けていったが、田中はこれらを落ち着いたダッキングでスカしていく。その田中もペースを奪われてやや攻めあぐんだが、それでもボディフックなどで印象的な場面を作った。
3R。中間距離での攻防戦。藤田が更に手数を増やし、田中のダッキング能力の上を行く攻撃でヒットを奪うが、逆にカウンターでストレートを合わされてしまう場面も目立った。ヒット数は僅かに田中だが、藤田の積極性も目立っており、このラウンドはほぼ互角。
4R。このラウンドも中間距離で両者アグレッシブな戦い。しかしここまで足を使わされた田中はややバテ気味となり、動きが雑になって来た。そこを藤田は相対的にパワーで勝る利で押し気味に試合を進め、ジャッジに優勢をアピールした格好。
公式判定は39-37(田中支持)、38-38、38-38でドロー。駒木の採点では39-37田中優勢だが、際どい3Rの振り分けを考えると1−0ドローは絶妙の落とし所か。
田中は最後にスタミナ切れしたが、デビュー戦に続いてアグレッシブさを前面に出した攻めが光った。しかし、肝心のパンチにダメージを与える技術が伴っていないのは大きな問題。キチンとナックルを返したパンチが打てるように練習を積んでもらいたい。藤田は尻上がりに調子を上げていったが、4回戦でのスロースタートは致命傷。ただ、デビュー戦に比べると大きな進歩も窺え、この調子で精進を重ねていけば初勝利も遠くないだろう。