駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第3試合・Sフェザー級4回戦/●柏木悟[ウォズ](2R0分34秒KO)藤本貴一[Gツダ]○

柏木はこの試合がデビュー戦。藤本は5/15のデビュー戦(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050515#p7)で、キャリア7戦の相手に健闘したが判定負けして1戦1敗の戦績。今回は逆にデビュー戦の相手を迎えて初勝利を目指す。
1R。柏木が先手でジャブをガードの上からでも構わず突いていって、ヒット数こそ少ないものの手数と主導権で優勢。ディフェンス面ではステップワーク、ボディワークにセンスを感じるが、中途半端なデトロイトスタイルでガードが低いのが玉にキズで、終盤には藤本にカウンターをクリーンヒットされてガクンと膝を折る場面もあった。藤本の有効打はこれだけだったが、それがほぼダウン級の一撃で、ジャッジ的には際どいラウンドに。
2R。静かな立ち上がりに見えた序盤戦だが、藤本が柏木をロープに詰めて右を振るうとこれが見事にテンプルへクリーンヒットし、鮮やかなダウン奪取。柏木はすぐに立ち上がったが、完全に足にキていてまるで泥酔状態の千鳥足。たまらずセコンドがタオルを投入して試合終了となった。
藤本がワンチャンスを活かして苦戦の展開を一気にひっくり返した。1Rの大半を守勢に回されていたように課題もあるが、この当て勘は大事にしたい才能だ。敗れた柏木もデビュー戦にしては上々の戦い振り。しかし試合勘の無いルーキーが、ガードを下げてボディワークやステップワークに頼るディフェンスをするのは無理があったのではないか。習得するテクニックの優先順位を再確認して汚名返上を目指してほしい。