駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第4試合・バンタム級6回戦/○坂本亮[尼崎亀谷](3R2分55秒KO)松原章訓[倉敷守安]●

ここからは6回戦の試合が3試合。
04年度の西日本新人王1位(準優勝)の坂本は6勝(4KO)2敗の戦績。井野秀作に敗れた西日本決勝以来、約1年ぶりの復帰戦。対する松原は、4勝(1KO)6敗1分の戦績。倉敷からたびたび近畿地区にも遠征して来ている。
1R。松原が足を使いつつ、自分の距離を掴んでジャブ、ストレートをガードの低い坂本へビシビシと当て、完全に主導権を掌握。坂本のパンチは力感こそ感じられるも、松原のガードとダッキングにことごとく防がれて劣勢。
2R。松原はこのラウンドも足を使ってジャブを起点に自在の攻撃。どんどんヒット数を積み重ねてゆく。スピードと攻撃のタイミングの取り方で両者の間に雲泥の格差。坂本も中盤以降、後手後手に回らされながらもショートボディを利かせる場面もあったが、有効打数で大きく水を開けられた。
3R。このラウンドも坂本はガードが甘く全くの無防備状態。一方的に松原から左のジャブ、フックを浴びせられ続けワンサイドゲーム。坂本は全く動きに精彩を欠き、ハンドスピード・精度に欠ける空砲を打ち続けるのみであったが、ラウンド終盤に何とラッキーパンチがクリーンヒットして大逆転のノックダウン。松原は落ち着いて立ち上がって8カウントまでにファイティングポーズをとったが、何と宮崎レフェリーは10カウントを数えて試合を終わらせてしまった。松原が絶対優勢な試合展開、しかもラウンド終了10秒前を告げる拍子木が鳴っている時間帯だった事を考えると、この裁定には松原にとって余りに可哀想。勿論、駒木は間近で松原の状態を見たわけではないので何とも言えないが、勝った坂本がこの興行の主催ジム所属という所を考えると、“大人の事情”の存在を感じないでもなかった。
何はともあれカムバックに成功した坂本ではあるが、今日はレポート本文にあるように、最後のラッキーパンチ以外は全く見せ場の無い極めて低調な内容であったと言わざるを得ない。余りに顔面にパンチを浴びるので、リング禍を心配したほどだった。今回は1年ぶりの試合だったという事で仕方ない面があるとはいえ、この調子では前途多難だろう。