駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第5試合・ミニマム級6回戦/●ビナイ・ウルソラボン*1[タイ国](1R3分04秒KO)高橋宏和[Gツダ]○

ビナイはこれが今年5月に続いて2度目の来日。成績はアナウンスを聞きそびれてしまい不明だが、boxrecで戦績をチェックしても本国の試合結果が全く載っていない事を考えると、無名の選手である事は間違い無さそうだ。
一方の高橋の戦績は13勝(7KO)4敗。3年前には日本ミニマム級5位まで上り詰めた事があるが、それから3連敗を喫して圏外に転落してしまった。ここ最近は噛ませ犬のタイ人に大苦戦したりTKO負けを喫したりしており、低迷が長引いている印象。今回は考えうる限り最も楽そうな相手を招聘して6回戦からの出直しとなる。
1R。ビナイは、噛ませタイ人にしては積極的にボディ中心の攻めを見せたが、動きが全体的にモッサリとしており、総合的な能力の低さを窺わせる。これに対して高橋は序盤から積極的にワン・ツー、フックを浴びせていくと、ラウンド終了直前にはストレートをクリーンヒット。この一撃で戦意を喪失した……というよりも倒れ所を見出したビナイは、明らかに演技臭い派手な倒れ方でダウンし、「足にキてしまってもうダメです」と言わんばかりに足元を縺れさせて見せた。こうなっては野田レフェリーも試合を止める他無く、全くボクシングの試合として体裁が整わぬまま試合終了のゴングが鳴らされた。その後、何事も無かったように確かな足取りで退場するビナイの姿を駒木は決して見逃さなかったと付記しておこう(笑)。
高橋は昨年5月以来となる勝利。しかしこの内容では試合勘を取り戻すことさえままならなかったのではないだろうか。折角調整して来ておいて、肝心の試合がこれではちょっと可哀想ではある。