第2試合・フライ級6回戦/●金光佑治[六島](1R1分56秒KO)奈須勇樹[Gツダ]☆
両者戦績・臨戦過程
- 金光佑治[通算戦績6勝(5KO)無敗]
- 1回戦 シード
- 2回戦 6/5 VS山本剛詞 1R1分30秒KO
(→http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050605#p14) - 準決勝 7/31 VS宮口正春 4R2分42秒TKO
(→http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050731#p4)
- 奈須勇樹[通算戦績6勝(5KO)無敗]
- 1回戦 4/2 VS柴田匡俊 3R0分45秒KO
(→http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050402#p5) - 2回戦 7/9 VS森島隆司 3R2分12秒KO
(→http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050709#p6) - 準決勝 7/31 VS久田哲也 判定3−0(40-36,40-36,40-36)
(→http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050731#p19)
- 1回戦 4/2 VS柴田匡俊 3R0分45秒KO
試合展望(65-35で奈須優勢)
フライ級は12人のトーナメント。西日本グリーンボーイのパウンドフォーパウンド決定戦と言っても過言ではない、ボクシングマニア垂涎の好カードが遂に実現。共に8回戦以上の実力で、KO率の高いハードパンチャーでありながらテクニシャンの一面も持つ才能と将来性の塊。特筆すべきスキルとしては、金光は抜群の距離感から放たれる3連4連のコンビネーションが、奈須は一撃で対戦相手を昏倒に追い込む必殺の左フック・右ストレートが挙げられよう。
試合は、まず金光が距離感を活かして主導権を掌握するだろうが、奈須も簡単に封じ込まれるような選手ではなく、金光の攻撃を捌きながら隙を突いて急所にKOパンチを叩き込もうとするだろう。力量的にはほぼ互角ながら、時折不用意に被弾を許すところがある金光が、果たして6ラウンズ18分もの間、奈須の必殺右ストレートを完封できるかどうか……。奈須の後半ラウンドKOの可能性が高いが、判定勝負にもつれ込むような展開になれば逆に金光が有利か。
試合経過
1R。序盤から奈須のパンチが金光の急所目掛けて次々と襲い掛かる。2回戦、準決勝と今ひとつキラーショットのピントが合っていなかったが、今日は4月の今期緒戦以来の絶好調。試合早々右フックをクリーンヒットさせると、金光はグラつかされて反射的にグローブをマットに着けてしまいダウン扱いとされる。その後も奈須は完全に主導権を掌握したまま攻勢を続け、左のジャブとフックをクリーンヒットさせた後はジャブから必殺の右ストレート! 金光は自然の摂理の前に全く抵抗できず2度目のダウン。この日のルールは6回戦でも2ノックダウン制で、ここで奈須の自動的KOとなった。
ボクシング界の“KID”奈須が予想以上のパフォーマンスで難敵・金光を116秒殺。この日の奈須は試合後に「スローモーションで自分のパンチが入っていくのが見えた」と語っていた。超一流のスポーツ選手が絶好調時に突入する、いわゆる“ゾーン”の状態に達していたのだろう。まったくもって空恐ろしい才能である。今後の新人王戦は勿論相手次第という事になるが、その結果云々は度外視しても、遠からずチャンピオンベルトを巻く逸材である事は間違いないだろう。
一方、金光は何も出来ずに終わってしまった。しかし準決勝までに築き上げた実績には何らキズがつく敗戦ではなく、こちらも近い将来に日本ランク以上を窺うホープである事に疑いを差し入れる余地は無い。3ヶ月間のKO休みを経た後は、6回戦を軽くクリアしてA級で活躍してもらいたいものだ。