駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第8試合・ライト級4回戦/○大沢宏晋[大星](1R2分00秒KO)浅田顕[進光]●

両者戦績・臨戦過程

試合展望(65-35で大沢優勢)

ライト級は11人参加。しかし、シードと不戦勝だけで、戦わずして決勝進出を果たした浅田の幸運は恐ろしい。これで決勝も急な不戦勝になったら『ドカベン』の吉良高校真っ青なのだが(笑)。
……などといった冗談はさておき、浅田の試合データが無いだけに予想は極めて困難。普通に考えれば短期間に多くの場数を踏んで来た大沢に一日の長があると思われるが、まだボクシング技術よりも身体能力だけで勝っている段階だけに、浅田が大沢のディフェンス面の穴を突けば波乱の要素もある。「勝負は下駄を履くまで分からない」を地で行きそうな試合である。

試合経過

1R。試合開始早々から浅田が積極的に仕掛けていくが、ハンドスピードは平凡でガードも低く、全体的に動きが雑な印象。それに対して大沢は格の差を見せつけるように浅田の攻撃を淡々と捌くと、ラウンド中盤に左カウンター一閃、ダウンを奪う。浅田は立ち上がって試合再開となるが、大沢は落ち着いて有効打を加算して一方的な展開に持ち込み、レフェリーストップを勝ち取った。
大沢が、このトーナメントで3勝を積み重ねて来た重みのようなモノを浅田に見せ付けて文句無しの完勝。今日は一方的な展開過ぎたが、随分と攻撃がスムーズになって来た印象を受けた。浅田は強運だけでこの舞台に立つ事が出来たものの、残念ながら西日本決勝進出者としては明らかに能力不足。アクシデントの連続で試合経験が積めなかったハンデもあっただろう。今回は辛い経験になってしまったが、今一度イチから出直して、来年度以降の巻き返しを図ってもらいたい。