駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第3試合・Lフライ級契約ウェイト(48kg)4回戦/●米田皇介[大鵬](4R2分00秒負傷判定0−3)能任慎一[八尾]○

この試合の両者デビュー戦。
1R。能任は相手を必要以上に挑発するシーンが目立ち、ファイトスタイルもガード・ボディワーク無視で強引な連打を重ねる喧嘩の延長のよう。これに対し、米田は冷静にガードを固めて要所で連打や右ストレートをヒットさせてやや優勢か。
2R。近距離でアグレッシブな打撃戦。ただ、両者緒戦の悲しさか正確性に欠けて決定打が無い。そんな中でも能任は強引にイニシアティブを奪ってヒット数で優勢に。米田も能任のガードの甘さを突いてクリーンヒットを奪う場面があったが……
3R。両者ともバッティングで出血する荒い展開で、クリンチを重ねつつ強引なパンチを振るう乱打戦に。ハンドスピードで勝る能任がこのラウンドも先手を奪って有効打を重ねる。米田は冷静さを欠き、能任の打ち終わりの隙を上手く突けない。
4R。このラウンドも乱打戦。米田はスタミナ切れでパンチに威力が無くなったが、能任も強引な突進ばかりが目立って決め手に欠ける。ラウンド終盤に突入する直前でレフェリーが先のラウンドの傷を重く見て試合を止め、勝敗は負傷判定に委ねられた。
公式判定は40-37、39-37、39-38の3−0で能任。駒木の採点でも39-38で能任優勢となった。
先述のように、能任のファイトスタイルはボクシング選手としては課題山積で、このような試合をしていては強豪相手では通用しないだろう。ただ、連打の迫力やハンドスピードには見所もあり、今のままでも勝ったり負けたりなら可能か。米田は基本に忠実なボクシングをするが、ハンドスピードとパンチの精度が物足りない。初勝利を目指すなら、まずはその2点の修正が望まれる。