駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第7試合・Sウェルター級10回戦/○松元慎介[進光](4R1分27秒TKO)ゲンカート・チュワタナ[タイ国]●

セミ、メインは新光ジムの主力選手2人がタイ人を相手にした調整戦。ヨシヤマジムの興行でもたまにあるが、こういう試合構成は選手の身内以外は一気にボルテージが下がるので勘弁してもらいたいのが本音。
松元は11勝(2KO)2敗1分の戦績で、03年度の新人王戦ウェルター級西軍代表。04年秋に当時日本ランカーだった新屋敷幸春 [沖縄WR]を判定で降して日本ランク入りし、そこからは無敗をキープしてランキングを日本3位まで押し上げている。KO率が低いのは安易な格下とのマッチメイクをしなかった事も大きいのだが、今回は昨年末に続いてのタイ人相手との試合となった。中重量級のランカーは相手探しに苦労するらしいが、少々残念な傾向ではある。
そして対戦相手のゲンカートは4勝(1KO)5敗とのアナウンス。今回が初来日で、その素性は全くの謎。
1R。松元は左、右のフックでオープニングヒットを奪うも、その後は“噛ませモード”のゲンカートを攻めあぐむ印象で、ボディへのジャブやショートブローの不完全なヒットなど、やや不発気味。ゲンカートはドサクサ紛れ気味にヒットを奪ったりもしたが、やはり戦意は薄い。
2R。松元、左アッパーでクリーンヒットを奪うなど、左のパンチが冴えて再三有効打・クリーンヒットを重ねてゆく。ゲンカートは相変わらず“待ち”のボクシングで数発ヒットを返すが、形勢挽回には程遠い。力量的に完全なミスマッチ。
3R。松元、左フック、右ストレート、ボディへの細かい連打などで自在の攻め。だが畳み掛けて一気に試合を決めようというアグレッシブさには欠け、ノックアウトを予感させるシーンは無し。
4R。ゴング直後から松元は自在の攻めをペースアップし、まずは右ストレートをテンプルに叩き込んで1度目のノックダウン。ゲンカート立ち上がったが、松元のラッシュに棒立ちとなり結局TKO決着に。
松元が明らかな格下相手に1発ずつ丁寧に有効打を決めていって中盤でTKO。もう少し良い意味の強引さがあっても良いとは思うが、速いハンドスピードなどを見ると流石はランカーといったところ。